そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ディストラクション・ベイビーズ

http://distraction-babies.com
監督:真利子哲也 脚本:真利子哲也喜安浩平

 
内容知らずに見に行ったんでこういう映画だったとは知らんかった。
とにかく柳楽くんが延々と人を殴ってるだけの映画で特にストーリーもオチもない。
面白いかと言われたらまったく好みではないんだけど、柳楽優弥菅田将暉小松菜奈のちょっと見られないような強烈な演技ポテンシャルを見せてくれたということに関しては素晴らしいですね(笑)
以下ネタバレです。
 
それにしても各種レビューはほめすぎな気がするんだけどどうなのか。この映画良いの?
オレが好みじゃないってのは暴力描写が嫌いなんではなく、ヤンキーやチンピラなどなどすぐに暴力を振るう粗暴な奴らが嫌いっていう話で。だからこの話はまったくわからないし分からなくても全然いいです。とにかくもうずっと早く警察呼べよって思ってた。警察(お巡りさん)がいても無理だったけど(>ラストね)
最初から最後まで何を考えてるのかわからない芦原泰良(柳楽優弥)が手当たり次第人を殴り続けるというのは大変に恐ろしかった。ある意味壊れたロボットくらいに怖い。意思の疎通も出来ないし。殴られても死なないしダメージを受けてる気がしないって、ターミネーターかよ。
それよりわかりやすく最悪なのは北原裕也(菅田将暉)の方。しかし一番ヤバいのは菅田将暉。顔が女の子みたいにキレイなのにいきなりタガが外れて最高にクズなの本当に凄い。つくづくあの見た目はいろんな意味で武器かと。
裕也のほうは金髪で粋がってるお友達と比べるとわかりやすく小心者で弱いくせに、泰良と出会っていきなりブチ切れてサイテーのクズ野郎になるところが逆にわかりやすくて怖い。泰良はまだ女には手を出してなかったけど、裕也はいきなり女子中学生に襲いかかって「一度女を殴ってみたかった」っていうとこが頭おかしい。タガが外れた狂人の怖さ。いきなりメーター振り切れすぎ。つか裏通りでヤクザのチンピラ相手にする分にはまだしも表通りの商店街に出てきて暴れたら完全にただの通り魔だから。
拉致られるキャバクラ嬢の那奈(小松菜奈)も真っ当な子ではないけど、最後の警察の事情聴取に答えてる内容があまりにも嘘くさくてまったく人間として信用出来ないしw つまりクズばっかってことですね。
ただまああんだけ酷い目にあったことを考えるとあのブチ切れ方も仕方ないかと思う。それについては嘘ついてもOK(苦笑)裕也にしたことなんか忘れちまえ。いいよあんなクズ死んでも。(と一変の曇りもなくそう思わせる菅田将暉がスゲえ)
てことで話としてはこれはこれで狙い通りなんだろうけど、正直物足りないというか、まあ単純に目的のない純粋な暴力の映画にオレは合わなかっただけかと。最後に祭りが出てきたのはどういう意味なのかって思うけど、もうすでに単なる衝動ではない犯罪行為としての暴力をふるう泰良と重ねてたにしても、そういうなんだかわからない衝動を「祭り」と位置づけていいのかどうか。プリミティブな地方の暗部ってことでいい話でもないだろうし(都会にだってそういうのあるだろうし)あれかなあ、見ててまったく理解できない泰良は禍ツ神みたいなもんなのかなあ。スサノオ的な。そこに祭りを持ってくるなら何となくお話としては丸く収まってる気はするけど。

あとこれが洋画ならストーリー的にもうちょっとなんかあると思うんだけどってのも含めて、これで終わりなのか?っていうか。
例えば「ファイトクラブ」や「ナイトクローラー」みたいな映画なら、その暴力も込みで映画として理解できるし楽しめるってことなんだよね。暴力の理不尽さという意味では「ザ・ビーチ」なんかもそうだけど。
虹郎くんはあの感じとしてはわかるんだけどメインの3人が強烈過ぎてオマケくらい。そういや「あの花」のドラマまだ見てないや。(見る気は当然ある)
池松壮亮は安定の狂犬ぷりw。泰良や彼が絡んでいく奴らの殆どが素手でやりあってるのに、なにげにいきなりナイフ出してきたよ。キャバクラの黒服だろおい。オソロシイな(^_^;)
一応パンフ代わりの公式ガイドブックは買ってあるので後で読む。それ買うくらいにはこの映画には興味はある。