そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

月光条例

妹に借りたんで一気読みしました。
藤田和日郎先生は天才か。伏線とかそういうレベルじゃないよ、お話の膨らませ方とかキャラクター配置とか構成力が神か。おとぎ話がネタだけに余計に実感。
何をどうしてこんな話にしようと思ったのか微塵もわからないのが凄い。
しかもこれはオレが好きな話だよ。完全に月打されました。もちろん月光が好きに決まってるw
サンデー読んでない時期もあるから、ぶっちゃけ「うしおととら」はたぶん読んでるはずだけど記憶がないし、「からくりサーカス」も途中までしか読んでない(でも単行本は半分持ってる)ので、邪眼やスプリンガルドなんかの短編以外で藤田和日郎の長編漫画を全部ちゃんと読んだのはこれが初めてなんだよ。
てか連載当時、これそんなに評判よくなかったよね?特に最初の方は。妹が持ってこなきゃ読んでなかったかもしれない。
他の作品と同じく最初の導入部にやってることが途中でまったく違う話になるんだけど、伏線話におそらく最初から引いてるし、ほぼきっちりたたんでるという意味で凄い。
今回のこれはおとぎ話がネタだけど、最初の月打されたおとぎ話を正す…まではわかるんだ。でも、

  • おとぎ話の登場人物が月の光でおかしくなったから読み手の人間の力を使ってそれを正す→わかる
  • 主人公の岩崎月光は実はおとぎ話のキャラクターだった→わかる
  • かぐや姫の物語はおとぎ話ではなく事実だった→えっ?
  • エンゲキブはかぐや姫だった→わかる
  • かぐや姫の帰る月は異世界で狂ってて、かぐや姫が電池にされる→ええ?
  • 月打されたおとぎ話のキャラクターはおかしくなり、月打された人間は書き手になった→えええええ?

一体何をどうして、どっからどうやって思いついたのかが全くわからない。この話、1番最初に何を思いついたんだろう?逆算でも想像できないよ。

ただ最初はまったく乗り気じゃなかったんだよね。
月光はワケわかんなくて掴めないし、エンゲキブはキャラが理解できなくて全然好きじゃない。とゆーか基本的にフジタ漫画の過剰さが苦手っぽいんだよなーとか思ってたけど、アラビアンナイトで真実が明らかになったあたりの超展開構成でちょっとやられて、かぐや姫編まできてやっとああそういう話か〜って感じで、本当に最後の最後なんだよな、これは好きって思ったのw
でもまあ確かにキャラはとっ散らかってるし、話のバランスも今までの作品からしたらよくないとは思う。全体にとっ散らかってるのは確かだし、前半の月打の話と中盤のチルチルの話は繋がってないと思うし。(そもそもなんでチルチルだったのか)(幸せはすぐそばにある…って思いつきだったんだろか)
でも一番そうじゃない感あったのは、本来ならチョイ役で終わるはずの藤木さんがレギュラーに入ってることの無理やりさと、逆にメインキャラだと思ってたイリヤがライバルキャラですらなかったかもことかなあ。一寸はともかくシンデレラや赤ずきんも便利キャラすぎてなんか座りが悪いし。(そして桃太郎は消えたまま…)
てか、もしかして一番好感度が高いコンビって天道と一寸じゃなかろうか?(笑)
まあそれはともかく、月光も先生との話がなきゃ微妙だったんで、伏線は回収する気満々で張ってるわりに最後の詰めは甘くて勢いだけでまとめたって感もあるかなあ。
ネットでちょっと話題になってたメタ展開も唐突というか説明不足だったし。(最後月打の定義すら曖昧に見えてきて月の軍団との決戦も中途半端に人間に見えてる感が残念。北極から北海道、東京へ…ってのもちょっとうしとらの思い出すけどあんま意味なかったし。

ただまあ藤田先生のマンガもの主人公はあとから出生の秘密みたいなのが最大の伏線として出てくるんだけど、ものすごい勢いで回収しながらもそれを〈運命〉とは言わないところに何か感じるよ。彼らの背負ってるものはあまりにも重すぎるけど、最終的には幸せになってくれればいいよ…って気分になるんだよなあ。
ストーリーがたたみきれてない分、月光にはそれをすごく感じたというか。
普通に月光とエンゲキブがわかりやすくハッピーエンドにならなかったおかげで、変な風に心に食い込んできて困るよw
最後の書き足しらしいページはちょっと意味がわかんなかったんだけど、劇中の〈サクシャ〉に描かせた「月光条例」のラストってことかなあ?
まあひとつ言えるのは、オオイミ王はマジキチでキメエってことかw
最後ああなっちゃったけど、オレは月光が幸せならいいのだw