そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子#10(終)

http://www.ntv.co.jp/jimisugo/
脚本:中谷まゆみ 演出:佐藤東弥 原作:宮木あや子
 
盗作騒動!てことで湯けむり校閲ミステリーかよw
しかし盗作犯探しから仕事に真面目に取り組むということをみせてくれた、最終回っぽいいい話だった。
いや本当に校閲ガールは〈地味にスゴイ〉をちゃんとみせてくれる、とてもいいドラマだったわー。

えっちゃんのLassy編集部への企画プレゼンと、幸人のモデル仕事クビの話もあるけど、とりあえず面白かったのは本郷先生の盗作騒ぎの顛末。
本郷先生の原稿が発売前に盗作されたっていわれても、普通小説って脱稿してから世に出版されるまで2〜3ヶ月はかかるよなあと思ってたんで、サイトにアップされたのが前月って時点でサイト管理者が盗作したってのはそれなりの本読みならわかるんだけど(作者あとがきとかにそういう話があるからね)世間はそうはいかないからおおごとになるのはわからんでもない。
てことでそれがどの段階で流出したのかを今までドラマでみせてきた校閲描写を総動員して絞り込んでいくってのが面白かった。本当にミステリー展開だよw
しかも漢字の開き方や一人称の使い分けで本人かどうかを特定し、初稿→再校→念校という流れの中でどこを直したかでいつの原稿が持ち出されたのかを確認するとか本当に探偵並み。校閲部、地味にスゴイ!(そこじゃねえ)
というかちょっと思ったけど、校閲部の人たちって悦子をはじめ外での事実確認に気軽に原稿を持ち出してるけどそれ結構危ないんじゃんよ。(漫画家やイラストレーターの原稿だって編集さんが社に持ち帰る時はタクシー使えといわれるくらいなのにw)
でもおまけにその過程で悦子のよくわからないタコ飾りがバレたり、それが最後の部長のドア飾りになったり、エピソードとしては本筋には関係ないのに和むwというか目立つってそっちじゃねえというw

まあその辺は本郷先生が捕まってればすぐわかっただろうに、本郷先生はいつの間にか奥さんとよりを戻して秘密デートって、いや先週の電話のとこでそうだと思ってたけど本当にそうだったとは(笑)
だってそれこそえっちゃんも言ってた通り、初回の立日橋の件が。そもそもそれが幸人が本郷先生の息子なのかも疑惑だったんだけど、同じ話を何度も使うという伏線超えた話の繋ぎ方の上手さというか。
結局原稿の盗作騒動は本郷先生の同級生の仕業だったんだけど、実生活で子供や孫に恵まれているのに若い時の夢を思い出した今、作家になった本郷先生に嫌がらせ的に盗作したという顛末。
でも作家になった本郷先生はよくありがちだけど実生活を犠牲にして、離婚して20年間家族が壊れてたわけですが、そういう「何が幸せなのか」ってのは、何十年も経ってみないとわからないことなんだよなあ。(しみじみ)なんだかんだ本郷先生たちと世代的には近いのでこっちも身につまされるわー。
思い描いた夢ってのは叶ってみればありがたみが薄れるものだし、そうなった時にかつての叶わなかった夢をもう一度と思うことは盗作さえしなけりゃ問題ないよな。
 
それはそうと幸人くんはカッケーよなあ。何気に真っ当に気が利いてるし、別荘でもちゃんと貝塚を招いて紹介したりっていう細かいとこがちゃんとしてるってとこが育ちの良さを感じさせるよ。マジカッケー。オレも幸人くんみたいな彼氏欲しい!作家だし!(おい)
そしておでん屋大将の意外な過去も、特に何か期待してたわけでもないけどさらっと明らかになったよ。えっちゃんが下宿してる理由が何かあるとは思ってたけど、大将いい人だなあ。
 
そして今、夢を叶えるための現在進行形な悦子や幸人は、まさにそれを選ぶ岐路にいるんだけど、どっちもというわけにはいかないのがむしろこのドラマ。
お仕事ドラマとしては、1つのことに全力投球するからこそその人自体が信用されて認められるんだってのは正しいあり方かと。
手を抜くとかそういことじゃなく、好むと好まざるとに関わらず目の前のことに向き合って一生懸命仕事をするから夢や希望が叶うってこともあるんだよね。
まあえっちゃんのLassyへの企画出しは異動関係ない話で単に力試しだったわけだけど、それでもチャンスはチャンスなわけだけど、うーん、他人の企画を盗んででも這い上がってくるべきというLassy編集長は、間違ってはないけどこの流れだとあんまり褒められもしないと思うの。一生懸命の方向がアレというか。
まあ派手で目立つ仕事ってのはそういうのも必要なのかもね。モデルの仕事もたぶんそうなんだと思うけど。
そこでそうじゃない、地味にスゴイ人たちの目立たなくても当たり前を作る仕事を選んだえっちゃんと、その地味にスゴイを世に知らしめたいという幸人くんのやりたい事は何気に一致してたんだよね。
だから最後にえっちゃんと幸人がくっつかなくても、今はまだこれでいいんだって思えるんだよなあ。本当にキュンキュンするよ。くっつかなかったからこそキュンキュンする〜(*´д`)=3
ああ良かったなあ。ええもん見せてもらった感w
これでぜひスピンオフやって欲しいな、スペシャルで。でもこの2人がくっつくってことはえっちゃんがLassyに異動になるってことで、そうなったら校閲部は…?
あ、最後の最後、何のフォローもないままだったけど米岡さんと正宗くんが当たり前にくっついてるけど、やっぱり正宗くんは普通にゲイだったってことですか?いやそこに何のフォローもないってことがいいんだけどw
最後の締めの幸人くんのナレーションがとても良かったんでまるっと載せとく。

「僕がこの本を書こうと思うきっかけになったわけを話そうと思う。きっかけはある女性との偶然の出会いだった。
彼女の職場は出版社の校閲部。本になる前の原稿を一字一句見て、文字や表現に間違いがないかを点検する仕事だ。目立たず地味な仕事だが、間違いのない本を世に送り出すために欠かせない部署である。
そんな彼女には長年夢見ていた仕事があった。校閲とはかけ離れた、どちらかと言うと派手で目立つ仕事だ。
世の中には夢を叶えた人もいれば叶えていない人もいる。目立つ仕事もあれば目立たない仕事もある。中には夢を叶えたけどこんなはずじゃなかったと思っている人もいるだろう。でもたとえどんな気持ちでいようとも、どんな仕事をしていようとも、目の前にある仕事に全力で取り組むことが、ともすれば平凡な繰り返し担ってしまう毎日を意味のあるかけがえのない毎日に変える方法だと、彼女は身をもって教えてくれた。
いつか彼女の夢が叶うといいなと思う。その日まで僕はエールを送り続けたい。
夢を叶えていても叶えていなくても、今の仕事に誇りを持って世の中を支えてくれているすべての地味にすスゴい人たちに。」

いいドラマだったなー ( *´∀ `* )