そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

海月姫

http://www.kuragehi.me
監督:川村泰祐 脚本:大野敏哉川村泰祐 原作:東村アキコ

 
とりあえず見とかなきゃと思って見始めたけど、 最初の10分で辛くなって30分見るのもやっとなんだけどどうしたら。
なんとか見終わって思うのは、ハセヒロと菅田将暉につられてお金出して観に行かなくてよかったってことばかり。
やっぱりドラマの海月姫の方がちゃんとコメディで面白いなー。 キャスティングがどうこうというより、映画はとにかくコメディになってなくて、全体に主役の能年ちゃんのせいもあって学芸会のノリでやばい。菅田将暉長谷川博己のポテンシャルが潰されすぎててヤバイ。
というかキャスティングのセンスなさすぎだろ。コメディ映画として作ってないって時点で失敗だと思うけど。一体どういうビジョンがあってこれを映画化しようと思ったのか。
原作漫画は配信の試し読み分くらいしか読んでないけど、ノリとテイストとしては「主に泣いてます」と近いと思うのでそういう解釈しとく。
これは2014年公開なのでのーねんちゃんを月海に持ってくるのはとてもよくわかるし、観るまでははまり役だと思ってた。でも雰囲気だけだったよ。他のキャストについてもそうだけど、それっぽいというだけのキャスティングは良くないと思うよ。いやそうじゃなくむしろ何かの力が働いたキャスティングだったのか?
能年ちゃん、ちゃんと演技できてないって時点でないよ。つーかドラマの芳根京子を見てしまったせいで余計に無理。下手すぎる。
菅田将暉は好きだけど、でもドラマ版、瀬戸くんの蔵之介と比べたらあまりに雑。菅田くんだから演技力の問題じゃないし、 何がいかんのだろうなあと思うんだけど、少なくともこの菅田将暉の蔵之介って最初から最後まで一ミリも「女装の男だけど尼〜ずの前では男だということを隠してる」素振りがまったくないのは問題じゃね?つか菅田将暉の問題というより、なんでこんなキャラに演出したんだろ、監督は。
帝一の國」とか「民王」の菅田くんを考えるに、菅田くんってコメディアンじゃないんだよな。むしろハイテンションな漫画キャラを上手く演じられるって感じなのかも。それは演技の上手い下手関係なしって意味だけど。
同じように長谷川博己はコメディ向きなんだけど今回のこのキャラは違うんだよ。なんだろう、やっぱり役者さんの問題じゃなく、修さんのキャラに求めるものは兄だろうと弟だろうと工藤阿須加のあのノリなのよね。そしてそれは長谷川博己ならできるはずなんだよ。「デート」の高等遊民キャラでいいんだから。
片瀬那奈泉里香は同じ線上にいるコメディエンヌだけど片瀬那奈は大雑把すぎるというか、片瀬那奈にするのはとても良くわかるんだけど、でもこの映画じゃ片瀬那奈の差も出てないし。というかドラマの泉里香のコメディ的反射神経がいいんだよねw(説明会直後の鯉淵ジュニアを落とすってシーン、思わず見比べちゃったよ)
もちろん尼〜ずのみなさんも、映画はあまりにもオタク的要素もキレもないんだ。2014年だからとか2018年の今だからとか、そういうことでもない。もし2014年にこの映画を見てたとしてもたぶんクソだせえぇぇぇ!って思ったと思う。
あと花森さんね、モテ男ってことで速水もこみちにしたんだろうけど、だからその発想のキャスティングがダサいんだ。この映画のキャスティングは全部そう。役者さんが悪いわけじゃないんだけど、結果として個々の持ち味や良さも全部殺してるんだよ。
つまりドラマ版はさすがのフジテレビ、役者さんたちがみんなコメディ的なタイミングで動けて、演出自体もハイテンポで歯切れがよくて、原作がそもそもそういうハイスピードなテンポでキャラが動く話なんで普通の映画に仕上げちゃダメなんだよ。映画に足りないのはそれかなあ。あと少女漫画の映像化なのに画面暗いよ。
海月姫の原作自体は読んでないんだけど、主に泣いてますの東村テイストを考えると、どう考えてもフジのドラマ版の方が正解だと思うなあ。
映画はいろいろ噛み合ってなくて、惜しいとも残念だとも思えない出来でした。監督だけのせいじゃないと思うけど、映像作品としてただただつまらなかった…