そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

FINAL CUT#6

https://www.ktv.jp/finalcut/index.html
脚本:金子ありさ 演出:日暮謙
 
数字が低めでも安定してるということを評価とするべきなのか。このドラマオレは結構面白いんだけどなあー。
今回はさすがになんで彼を殺人容疑者にした?と思うけど、ザ・プレミアワイドの通常営業的な暴走っぷりすごいな。他人の人生台無しにすることをなんとも思ってないってのが。まあ主な元凶は百々瀬なんだけどさ。だからといって地獄に落ちろとも思えないところが恐ろしい百々瀬の魅惑の微笑みというかw
今回はカリスマ料理ブロガー殺人事件の容疑者が恋人だと断定されました…というメディア被害。
いやこれ中村倫也だから、彼がやってないってことに真実味があるんだけど、ちゃんと通報して警察に話しして普通に仕事行ってるだけなのにザ・プレミアワイドの相変わらずの決め打ち報道で追い詰められて逃亡中みたいなあつかいされるって、自分のことだと考えるとマジ恐怖しかないよ。メディア被害こえー…と、やっと何だか高校生の時の慶介の気持ちになったよ。これ確実に社会的に死ぬし心も病むよ。
それにしても今回このドラマが意味不明にすごいなーと思ったのは、雨も降ってないのにずぶ濡れで突然アパートの前にいる容疑者扱いの矢口さん@中村倫也
いやなんでずぶ濡れなんだ?と思ったし、大地が「なんで濡れてるんですか」ってツッコむの当然だしむしろなぜ慶介はそこ疑問に抱かないって感じだけど、その理由があまりにも矢口さんの切羽詰まってる状況を表しすぎて聞いてるだけで胸が苦しいです。
そもそもなんでアパートにいたのかってのが、疑心暗鬼になった矢口さんが車で移動しながら慶介たちのサイトを見つけてそこからIPアドレスからハッキング(というほど簡単じゃなく手順がやたら詳細)という、一応ITの専門家を自称してる慶介のサイトをハッキングするというその道のプロ恐ろしい。
その途中、人目を避けるための洗車中に逃亡ってことでびしょ濡れだった…というディテールがあまりにも面白くて。いや矢口さん的には面白いって言っちゃアレだけど。
ちゃんと慶介は朝になったら高田に報告するつもりだったし、でもそもそも慶介が警察官だと知らない矢口さんがそれを聞いて逃げたとか、もうどう考えても悪い方にしか動いてないのも痛々しくて。この中村倫也がとてもビジュアル可愛めなのが余計に悲惨な状況いや増してるのもあるからこのキャスティングはわかってるとしか言いようがないよ。
しかしこのドラマに肩入れしてしまうのは、基本的に慶介のやってることが現実的に母親と自分を追い込んだザ・プレミアワイドの当時のスタッフへの復讐と真犯人の逮捕という目的ではあるものの、そこで正義を振りかざすわけでもなく、ただ自分と同じような被害にあってる人間を助けたいという気持ちからきてるってところに説得力を感じるからで、そういう丁寧な描写大事よね。
だから毎回プレワイのスタッフを追い詰める時の慶介の涙にグッとくるし、今回矢口さんのことに本気で親身になってるのもわかるし、高田副署長に自分のサイトのことを話すのもビックリはしたけど納得するわけで。
ただ高田副署長の反応はまだピンとこないんだけど、慶介をマークしてやってることを非難するわりに被疑者の自殺について警戒してるし、いまいちわからないキャラなんだよなあ。まあそこはまだ置いとくとして。
しかし人を自殺に追いやるほどの取材攻勢をするプレミアムワイドも恐ろしい。隣人を使った隠し撮りとか、別件逮捕された矢口さんに両親のコメントとか恋人との写真とメッセージとかで追い詰めるとか、いい絵が撮れるならなんでもいいのかよ。
あと細かいけど現場レポートの穴たちの練習とか、若手くんの「こういうの映画で見たことある」とかがすごく効いてるというか。
ネットの書き込みも怖いわあ。殺されたのがカリスマブロガーだと逃げ道なし。
矢口さん逮捕され追い詰められて、飛び込み自殺かと思った時に、まさか慶介のパルクールがちゃんと役に立った!パルクールなしでは矢口さん絶対死んでた!良かった!w
いやそれはともかく、そのパルクールで矢口さんを無事に助けたからこそその様子が報道されプレワイスタッフに慶介の素性がバレ、ついでに雪子にもバレ、そしてたぶん慶介本人はまったく望んでないヒーローとして持ち上げられるというこの構図。
ぶっちゃけ今回神回か!
恋人との生活がうまくいってない時に限って殺されちゃって、それを後悔しまくりな矢口さんの慟哭も胸に迫る。
真犯人は結局アシスタントで凶器は大皿だったってことか。皿で殴り殺すってのもすごいけど、人を殴り殺した皿を食洗機で洗うってのもドラマ的に地味にポイント高し。
それにしても料理ブロガーは写真をSNSに投稿するのがお仕事なんだから、そこんとこちゃんと話してさえいればねえ…後悔はいつも遅すぎる。後で悔いると書いて後悔。
そして慶介母の皿うどんがこんなとこにも効果的に思い出されて、あまりにも何度も使われる割りにコスパが高い回想シーンだよ。今回の構成も素晴らしいよ!
あとついでに慶介が利用してた小河原姉妹、諦めモードの姉・雪子は慶介の正体を知り、そんなの関係ねえな妹・若葉はお姉ちゃんが捨てるならあたしが拾うし正体とか知りたくないしっていうけど、たぶんそんな深い仲じゃないよねえ、なぜそこまで執着するのか。お姉ちゃんの好きになった人と同じだったってことでの暴走か?
ってところで慶介は雪子に兄の真実を。でもその線はまだ確定じゃないよねえ。証拠もないじゃんよ。