そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

いぬやしき

http://inuyashiki-movie.com/
監督:佐藤信介 脚本:橋本裕志 原作:奥浩哉

 

GANTZ」の奥浩哉による人気コミックで、テレビアニメ化もされた「いぬやしき」を、木梨憲武佐藤健主演、「GANTZ」につづき奥作品の実写化を手がける佐藤信介のメガホンで映画化。
会社や家族から疎外されている、定年を目前に控えた初老のサラリーマン・犬屋敷壱郎。医者から末期がんによる余命宣告を受け、虚無感に襲われた犬屋敷は謎の事故に巻き込まれ、機械の体に生まれ変わる。犬屋敷と同じ事故に遭った高校生の獅子神皓も犬屋敷と同様に人間を超越した力を手に入れていた。自分に背く人々を傷つけるためにその力を行使する獅子神。獅子神によって傷つけられた人たちを救うためにその力を使う犬屋敷。強大な力を手に入れた2人の男たちのそれぞれの思いが激しく交錯していく。
犬屋敷役を木梨、獅子神役を佐藤が演じるほか、伊勢谷友介斉藤由貴本郷奏多二階堂ふみらが出演。(「映画.com」より)

 
原作を見ないで見に行くことをオススメするよ。ラストは原作と違ってるし。
元々原作(アニメしか見てないけど)の話自体、オレはすごく微妙にもにょる内容なんで、このストーリーも手放しで面白いとは言い難いけど、よく2時間ちょいにまとめたなーという感じによく出来てました。さすが佐藤信介監督。もちろんご都合すぎる隕石のくだりなんか入れるわけないよな!w
というか見る前はなんで獅子神皓が佐藤健のかさっぱり分からないって思ってたんだよ。「亜人」とか設定変えてまで佐藤健にする必要あったのかと思ってたし、むしろ獅子神は間宮祥太朗あたりで見たかったなーとか思ってたよ。
でもキャスティング自体、これは佐藤監督の映画なのでこれで良かったと思う。てか亜人と比べてごめんなさいw さすが佐藤信介監督は画面の格好良さが段違いでした。
それと同じく木梨憲武は犬屋敷としてちゃんとハマってたし。見た目のビジュアル的にはアニメで犬屋敷をやってた小日向さんなんだけど、やっぱりこれは木梨憲武佐藤健が主演する佐藤監督の「いぬやしき」だからこれでいいんだなと。必要なのは原作を再現することじゃないし。(全ての実写映画は監督による原作の別解釈を見せるものだと思ってるので)
あと特に詳細は描かれないけど萩原刑事が伊勢谷友介なのとか、しおんちゃんの二階堂ふみが結構いい仕事してた。おまけに石丸謙二郎警視総監で出てたんで、つい車掌さん!電王!て思ったちゃったよw
以下ネタバレ気味で。
 
 
前半のホラー味たっぷりの演出から後半はドローンを使いまくった空中戦まで ずっとテンション高くて、VFXやCGを使った映像や画面の構図もいちいちカッコいいです。飛行シーンはちょっと明るすぎるかなあと思ったけど、今現時点で邦画のVFXはここまで出来るっていう見本。新宿飛行バトル、 新宿ピカデリーで見てたから、そこの外観が写った時にわあっ?って思っちゃったよw
主役は佐藤健だと思ってたけどそんなわけでもなかったし、だからといって犬屋敷メインでもないし。
話と展開はだいぶ端折ってるけどわからなくはないし、メインで見せたいのは後半の空中戦だろうし、そもそも獅子神が主人公だとしてもサイコパスな獅子神の気持ちなんかわからなくてもなんの問題もないのでこれはこれでいいです。
原作(アニメ)にあったような犬屋敷さんの何のために生きてきたのか、とか獅子神の生の実感を感じたいとか、同じ能力を持ってしまったあの二人がとても対照的な考え方と行動をするに至るくだりは端折ってるっぽいから全体にストーリーはちょっと浅く感じるんだけど、そこもまあ問題なし。
原作の獅子神のドライな感じとは違って映画の佐藤健の獅子神はクールって感じ。それもあって今回の佐藤健はめちゃめちゃカッコいいよ。やっぱり見せ方って大事だよね。
そして佐藤健は何が凄かったかというと、体が見た目も体幹もきっちりできてるから演技するときの動きや止まってるときの立ち姿にブレがないのがよかったなと。役の雰囲気もあるけど、今までで一番クールだった。
この作品のストーリーとして基本獅子神自体は完全に自業自得だと思ってるから、チョッコーが言う心優しいという部分もわからなくはないけど、やってることがアレなので気の毒とも思わないし、むしろ巻き込まれた周りの人たちが可哀想だとしか。でも2chではしゃいでた奴らがみんなバン!されてるのはザマアwwwむしろ爽快!だった。むしろあの能力欲しい。
でもま、仕方ないとは思いつつ、あの原作と違うラストで救われた。チョッコーがお友達でいてくれてよかったし、チョッコーもあんな後味悪く終わらせたくはなかったよねえ。ちょっとホッとしたw
チョッコーの本郷奏多はアニメ版と同じだけど、ホントはもう少しもっさい感じじゃないかとは思いつつ、いじめられっ子という感じは出てたんでこれもまあいいやと。やっぱりアニメのあの絵柄にこの声よりは実際本人がやったほうがしっくりくる気もするし。犬屋敷麻里も奥浩哉の美少女というより今どき風のJKなんだけど、それもそれで。あれで漫画家デビューしたら美少女漫画家になるよ?(当然少年/青年漫画だよね)
 
ところで犬屋敷家の新居は都心の郊外で、立地はともかくあの大きさって全然小さくないし、団地から新築一戸建てに引っ越すのに何が不満だし新居に無関心なんだこいつら?と怒りを覚えたね!お父さんの努力とローン(あの年で審査に通るってこと)を評価しろよ!大変なんだぞ!