そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

3年A組 今から皆さんは、人質です#4〜9

https://www.ntv.co.jp/3A10/
脚本:武藤将吾 演出:鈴木勇馬、小室直子、水野格
 
だいぶ感想書いてなかったんだけど、日曜日は見るものが多い上に(相方と一緒に見ると)ほぼリアルタイム視聴なので集中して見られないんだけど、基本的にこのドラマ感想書きにくいんだよねー
話は毎回面白いんだけど毎回必ずどんでん返しが織り込み済みの展開なので、茶番臭がしすぎててまじめに感想とか考察する気がなくなったというか。
もちろん毎週楽しんでるし面白いんだけど、たぶんこういう話やキャラって漫画だと気にならないけど、実写だとあまりに柊一颯無双が英雄すぎて嘘っぽく見えるし、当て書きで力入りきった菅田将暉の演技もかなり暑苦しい気が。
だいたい菅田将暉=柊一颯のテンションのわりに他の先生たちはコメディレベルで危機感ないし警察何もできないし(おまけに警察に協力者いるし)、犯罪に関わってる武智先生が田辺誠一なせいで良くも悪くも無用に裏がある人物、信用できないお調子者属性が付加されちゃって、ああいうことやってたってわかってもやっぱりねーくらいにしか思えない。しかも加害者であり被害者である(これは他の殆どの登場人物についてそうだけど)と言われても全然気の毒に思えないから、見てるこちらの気持ちまで含めて揺さぶられるというより茶番劇としか捉えられないんだよ。いやオレはね。
この「全ての登場人物が加害者になりうる」というのは、ネット・SNSの問題点なのでこのドラマで描きたいことの重要な部分だけど、生徒たちが“気づき”によってそれを認識して成長する、一颯が真実を知らしめるために偽悪的に振る舞うというのは許容範囲でも、武智の利己的な生き方や発想、他の先生たちの他人事感はそうじゃないんだよ。いくら武智が酷いことをしていても彼の中ではそれは正当性がある真実なので(ってあいつソシオパスかなあ?)、一颯の目的が武智を同じ目に合わせて贖罪させる…ってのはこの状況ではもはや私刑でしかなく、被害者側の代弁者である一颯が裁きを下すことは正義じゃないと思うんだ。
一颯のやってることは明らかに社会的にどころかマイ正義にしても逸脱してて、殆ど狂人レベル。むしろバットマン。しかもたとえ癌で余命がないからにしてもそれをやっていいのかと言われたらダメとしか言いようがないわけで、それは自殺する人間や安楽死を望むことは自己責任だから好きにさせてもいいというのと同じで社会的にも人道的にもアウトなわけじゃん。
つまり今一颯がやってることは一颯の自殺もしくは安楽死を知ってて止めないのと同じなんで、見てて爽快というよりあんまり気分良くないんだよね。「生きる」にしても他者に対しても社会に対してもアグレッシブすぎる。

あの閉じ込められてる生徒たちがあの一颯の本気の言動に涙流すほど感化されるのは大変わかるんだけど、それこそストックホルム症候群じゃないかと。
彼らの揺さぶられ方の実感からしたら一颯のいう「Let’s think.」すらも、それ自体は正しい事だけどこの状況としてはそう思うように仕向けてるようにも見えるし、メタ的には生徒と一颯の関係性でこの一連の出来事を正しく見せるという作劇テクニックだと思うとやっぱり茶番だなあと感じてしまうわけで。オレはね。
それもあって全体にどういう意図があって他の先生たちの無能っぷりをコメディっぽく描いてるのかはわからないけど、それはドラマの一番最の一颯が屋上から飛び降りるシーンが実は彼が3月8日に見た夢だった風に見せてるとか(実際はどっちなのか)、ドラマとしてあえて混乱させるような構成がちょっと不誠実だし、一颯無双&彼の思う通りに事が運ぶという展開、そもそもあれだけの計画を立てる時点で普通の人間じゃないと思うんだが、例えば彼が実はIQ200サイコパスみたいな説明がない以上リアリティは感じないんだよなあ。
そう、一番見てて茶番感を感じるのはリアリティがないからなんだよ。意図してるからなのか、それもとも本当に何か足りないからか、むしろ過剰すぎるからなのかはともかく、一颯のやってる事というより一颯そのものにリアリティを感じられなくて、演技というものは難しいなあと思う次第であります。

とりあえず今回は生徒たちには“一颯が知ってる、考えてる真実”を知らされたわけで、(あの部分的に音を消す演出は秀逸ですね)それと並行してやっと逢沢が撮った澪奈のドキュメンタリーの内容を視聴者が知る事ができたけど、これからが本番ってことなのか?一颯は生徒たちの前で澪奈を殺した真犯人の名前を言ったみたいだけど一颯が感じた澪奈の二面性、あのドキュメンタリー見る限りでは澪奈も相当闇を抱えてるっぽいけどなあ。
さくらをあえて選んで親友にして彼女と仲が良い自分を演出してたみたいな。それは逢沢がドキュメンタリーを撮ってるからあえてなのかとも思うし。その澪奈とさくらを見続けてる逢沢は、でも真実は見えてないみたいだし。
あと相変わらずさ茅野さくらはうるさいです。あの状況で一颯を止めようとするのすら邪魔すんなって気分。
というか一颯はいつも生徒を突き飛ばすとき容赦なさすぎだよ。その辺も一颯がイマイチ信用できないとこなんだけど単に余裕がないだけなのかな、だったらやっぱり茅野うぜえです。なんつーか勝手に自分だけが先生をわかってるって思い込みすぎで空気読んでなくてうざいみたいな。
というか真犯人?を全員に告げられたあと、番組ラストでさくらが「澪奈は私が殺した」ってのはどういう意図が?いや先生の話聞いてた?

それはともかく「世界を的に回しても正義のために戦うのが、ガルムフェニックス!」の前川さんカッケーな!まさに平成ライダー!(笑)(前川さんは仮面ライダービルドでは敵だったけどw)