https://longride.jp/the-dead-dont-die/
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
>>
鬼才ジム・ジャームッシュがビル・マーレイとアダム・ドライバーを主演にメガホンをとったゾンビコメディ。
アメリカの田舎町センターヴィルにある警察署に勤務するロバートソン署長とピーターソン巡査、モリソン巡査は、他愛のない住人のトラブルの対応に日々追われていた。しかし、ダイナーで起こった変死事件から事態は一変。墓場から死者が次々とよみがえり、ゾンビが町にあふれかえってしまう。3人は日本刀を片手に救世主のごとく現れた葬儀屋のゼルダとともにゾンビたちと対峙していくが……。
ジャームッシュ作品常連のマーレイ、「パターソン」に続きジャームッシュ組参加となるドライバーのほか、ティルダ・スウィントン、クロエ・セビニー、スティーブ・ブシェーミ、トム・ウェイツ、セレーナ・ゴメス、ダニー・クローバー、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、イギー・ポップらが顔をそろえる。2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。(「映画.com」より)
<<
4月に外出禁止になる前に行きそびれて2ヶ月、やっと観れました!
ジム・ジャームッシュ監督は名前は知ってるけど作品は見たことないっす。基本そんなに興味ないかな。なのであえてゾンビものなのに観に行ったのは(基本ホラーやゾンビにも興味ない)予告編が面白そうだったのと、間抜けなアダム・ドライバーが見たいからですw
予告編からしてオフビートなコメディなんだろうなーとは思ってたけど、たまたま目に入ったレビューで監督の文明批判てのもちらっと見えた…にしても、つまらなくはないし楽しめたけど面白いとは言い難いのがなんともかんとも。
話ももう少し捻りがあるかと思ってたけど、ゾンビホラーもののセオリーをなぞりつつも特に捻らず最後にそれっぽい批判をしてるだけなのがね。(なるほど~とは思うしわかりやすいのでそれは嫌いではない
あ、なんか変なテンポで面白いというかおかしかったのはダイナーで警察の三人が死体を確認するシーン。それぞれがバラバラにあらかじめ前振りされてたとおりの愛車で到着して(赤いスマートに乗るアダム・ドライバーのおかしさよ!)同じように死体を確認して同じように「野生動物の仕業か?」と聞く、それをまさかなんの捻りもないまま三回繰り返すだけ (笑)
いや、何の捻りもなく三回繰り返すからこその何とも言えないおかしみかw
あとWi-Fiゾンビとモーテルのfree何たらゾンビ笑ったwまさにスマホゾンビのオレたちそのもの (苦笑)
ただまあ、話はもう少し捻りがあるかと思ってたけどゾンビホラーもののセオリーをなぞりつつも特に捻らず最後にそれっぽい批判をしてるだけなのがね。(なるほど~とは思うしわかりやすいのでそれは嫌いではない)
死んでも生きてる時の執着を忘れず街を彷徨くゾンビたち。
職務として町の治安を守ろうとする警察署長のクリフ(ビル・マーレイ)に、ゾンビをゾンビとして異常な冷静さで対処するのロニー(アダム・ドライバー)。最後まで普通の人の反応を見せるミンディ(クロエ・セヴェニー)(クロエ・セヴェニーがもう45歳なことにビックリした!)
ミンディはともかくクリフとロニーの淡々としたやり取りは微妙におかしかった。
というか、少しだけネタバレするけど、ネタバレな感想書くけどOK?
↓
↓
↓
冒頭でカーラジオからこの映画のテーマ曲の「デッド・ドント・ダイ」が流れてきて、クリフが「なんか聞いたことがある」にロニーが「テーマ曲だから」っていうの、まさかメタネタ…と思ったら本当に(ジムに脚本を読ませてもらった)というメタだったとはww
しかもスタージル・シンプソン(名前覚えちゃうよ)のこの曲、何かというとかかるし劇中でCDも売ってるし、そんな有名な曲なのかと思ったら本当にこの映画のためのタイアップテーマ曲ですよ?(笑)
主題歌のメタな劇中宣伝激しすぎて、何となくキラートマトを思い出した (苦笑)
だからといってそんなメタなネタが成功してるかというとそうも感じなかったというかその思いも寄らないメタ展開が中途半端なのはちょい苦しいし、最初から出落ちかと思った妖精の女王みたいなティルダ・スウィントンの最後のオチがアレってのにはどう対応したら。(さすがにネタバレ自粛)ビジュアル込みでちょっとジョジョのミキタカを思い出したw
アダム・ドライヴァーは相変わらず良かった。キーホルダーにスターデストロイヤーは良かったけど、もっとスター・ウォーズネタやってもいいのに。予告編ではフォースとかなんとか言ってたような…あとメキシコに友人がってのは何のネタだったんだろ。
ビル・マーレイも意外と大人しくて勝手にゴーストバスターズを想像してたのが肩すかし。
でも最後の戦いに行く戦士2人はカッコ良かった。あそこのビル・マーレイはどうもゴーストバスターズオマージュみたいだけど。
そういや今これ書いててあっ!と思い出したけど、少年鑑別所から脱出した少年少女3人組はどうなったんだ?特に言及されてないけど、それなりにアフターゾンビの世界を生き抜いていくんだろうか?
そんな感じで、クライマックス前にティルダ・スゥイントンのあのオチがあったのでボンヤリしちゃったけど、言いたいことはよくわかった。
この世の中みんな主観的に見ればゾンビだらけなのかも。そういうゾンビたちは生きてても死んでても他人にとってはどうでもいいのかも?物(物質文明)に囚われた生き方をどう考えるか。
死者はもう死なない、ロニーやクリフのように戦いを挑んでゾンビになったとしても死んでもあの世があるから寂しくないし〜という考え方もあるし、世捨て人のボブのようにそれを傍観して眺めているのもありか。(意識高い系?)
今の世の中になぞらえてみると、この作品の言いたいこともそれはそれで味わい深い気がしなくもないかしら。ネット情報に右往左往してるのもスマホ片手に街を彷徨いてるのもゾンビみたいなものかもなって意味で。
そして思いも寄らぬコロナ禍はあまりにもタイムリー。
ゾンビ化しても生きてるときのこだわりを求めそれまでの日常を繰り返すゾンビたちや、対処法はわかっていてもゾンビ化してしまう町の人、過剰に恐れず戦いを挑んでいく警察たちも感染に飲み込まれ…という意味ではもちろんコロナ後の世界とかぶって見えなくもないし。
まあたぶんそんな感じの映画でした。(パンフはこれから読む)