そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

天外者

https://tengaramon-movie.com/

監督:田中光敏 脚本:小松江里子

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三浦春馬が主演を務め、近代日本経済の基礎を構築し希代の“天外者(てんがらもん)=すさまじい才能の持ち主”と称された偉人・五代友厚の人生を描いた歴史群像劇。「利休にたずねよ」「海難 1890」の脚本・小松江里子と監督・田中光敏がタッグを組み、オリジナルストーリーで描き出す。

江戸末期、ペリー来航に衝撃を受ける日本。新たな時代の到来を察知した青年武士・五代才助(後の友厚)は、攘夷か開国かの内輪揉めには目もくれず、世界に目を向けていた。そんな中、遊女はるとの出会いから「自由な夢を見たい」との思いに駆られた彼は、誰もが夢見ることのできる国をつくるため、坂本龍馬岩崎弥太郎伊藤博文らと志を共にする。

五代の盟友・坂本龍馬を三浦翔平、後に三菱財閥を築く岩崎弥太郎西川貴教、初代内閣総理大臣となる伊藤博文の若かりし頃を森永悠希、遊女はるを森川葵がそれぞれ演じる。(「映画.com」より)

 

朝ドラ「あさが来た」ではディーン・フジオカが演じた五代友厚が、白岡あさ(波瑠)の前に颯爽と出てくるまで&居なかった間のことをざっくり紹介する映画だった。

前半はなんでかな、ちょんまげ結ってるから?ディーンの五代友厚のイメージがあまりに強いから?なのか、あまり三浦春馬であるということの旨みは感じなかったけど、渡英するあたりからエンジンかかってきた感じかな。髪の毛切って洋装になったあたりからぐっと良くなった、春馬も五代さんも。

というかオレ、途中まで本気で三浦春馬がもういないんだってことを意識しないで観てたけど、春馬たんはちょっと痩せすぎかな(この数年ずっとだけど)ってこと以外はいつも通りイキイキとした演技で、本当にいないことが信じられなかったよ。彼がすでに故人であるというのは本当に日本の損失だよ…😢

 

全体には地味キャスティングでディーンさんのイメージがなくても三浦春馬は線が細いんじゃないかなと思ってたんだけど、そもそも鹿児島人て言われてもやっぱりイメージできない(ディーンもか)

てか他の役者さんたちもなんかうまくイメージできなかったんだよね。三浦翔平が坂本龍馬って聞いて結構驚いたし。西川貴教は…また別の意味で驚いたけどw

なので見る前は伊藤博文森永悠希はともかく坂本龍馬が三浦翔平、岩崎弥太郎西川貴教ってのはどんなキャスティングかと思ってたけど、思ったより悪くはなかった…が!(笑)

てかさ、てかさ、五代、龍馬、弥太郎ってそもそも同じ年だよね。三浦春馬、三浦翔平たちアラサーキャストに1人混じってる西川貴教(50)てどうなん?まったく違和感なかったんだけど、どうなってんの?奇跡の50歳www

しかも最後の方でなんの前振りもなく大阪商工会議所の立ち上げのとこにいきなり出てきたけど、その時はなんとなく香川照之に似ててまたちょっと笑ったw

女優陣も森川葵蓮佛美沙子も悪くはないけど地味。料亭女将のかたせ梨乃は久しぶりに見たけど凄みがあった。

まあ悪くはない…ような気はするからいいか。

映画自体はそこまで悪い感じでもないのに、とにかく脚本が下手すぎてもったいない感じ?以下、ほぼ脚本の悪とこばっか批判なので見たいくない人は飛ばして!

 

 

五代友厚ってそもそも朝ドラの「あさが来た」まで全然知らなかったけど、この作品では幕末に、龍馬や弥太郎、ちょい下の利助(伊藤博文)なんかと仲良くて大久保利通にも直で話せるくらいなのに、政治方面でほぼ関わってないからなのかな?主に経済面での規格外の天才ってことみたいだけど、そのせいもあって大河ドラマで歴史を補完してきたオレからすると、この映画のストーリーだけじゃ誰と誰がつながっててどういう流れで彼がのし上がっていったのかってのがいまいちよくわからなかったかなあ。

それはストーリー(脚本)が彼のエピソードを繋いだだけ、点と点を並べてるだけだからってのもあると思う。その点と点の間を自分で脳内で龍馬伝西郷どんと花燃ゆとあさが来たで埋めながら見るというね。ちょっと大変。(キャストイメージ的にも)

しかし脚本ヒドいねこりゃ…と思ってたら小松江里子かよ。もう少しちゃんとした脚本家に頼むべきだったね。(オレは彼女の作品は好きじゃないから余計にそう思うんだが)

演出は時々面白いことやってるしそれなり仕事してるけど、ほんと脚本ひどい。もっと五代さんを好きになれよ。

ちゃんと機械系が得意だとか刀は抜かないとか日本の未来を数字で語れる天才だとか自惚れがすごいとか、細かなキャラ描写はあるんだけど、最初あんまり乗れなかったのはあまり五代友厚が魅力的じゃないんだよなあ。女の話だけで進めんな。

一般的には五代友厚というのはほぼ知らない人間なのに(だよね?)、全体に特に説明もなくエピソードだけ繋いで雰囲気でわからせようとするの止めろよー、ダサいのはわかるけどナレーション入れろよ~と思ってたら渡英あたりから急にグラバーさんの述懐ナレーション入ってきてびっくりぽんや!冒頭からそういうのあったっけ?だったら最初から彼の回想録にしとけよって感じ。

なのにクライマックスは大阪商工会議所の演説だし。いやそれ以前に最後にグラバーさんのナレーションで偉大な人でしたって、締める?そこまでエピソード描いてないんだけど。

もっとモンタージュ的な感じで彼がどれほど仕事したのか見せても良かったんでないかなあー?エピソードがバラバラな上に肝心なところは説明がなく情景で分かれみたいな演出で、そのくせ大事なとこはサラッとモノローグやセリフで流すって、あまりにも不親切。

歴史の中で彼がどういう役割でどう動いたかがわかって初めて彼のやったことがすごかったって思えるのに、いつの間にか斉彬候がお亡くなってたり、龍馬とか弥太郎とかも死にましたじゃあっさり流しすぎじゃね?特に龍馬が死んで彼がどう思ったのかははっきり描いて欲しかったけど。五代の考える未来に龍馬はいたの?いなかったの?どれだけの損失だと思ったの?

それとグラバーさんが彼のバックアップをしてたって説明ないから本当にわかんなかった。どうしてこの人はこんなに五代を庇うんだろうって思ってた。そしていいけどグラバーさんって長崎にいるの?東京・大阪・鹿児島・長崎?もろもろ、場所が分からなくてもいいなんてことないと思うんだよな。イギリスで五代がはるさんを探してたってのはそうだろうと思ったけど、もうちょっとなんか伝え方ってあるんじゃないかな。てか彼女はなぜ日本に戻ってきててなんの病気だったの?フィクションキャラだからなんでもいいってこともないよね?

西郷さんにしても彼に関わった他の歴史上の偉人が出てきましたー程度だから点のエピソードを広げるような深みもほとんどないんだよなあ。弥太郎にしてもどうして落ちぶれてやさぐれたのかもよくわからないよ。龍馬伝では龍馬ともそんな親友って感じではなかったような。彼が暗殺されたからやさぐれ待機わけでもないよね?何もかも薄っぺらい。

もうちょいいろいろ上手く脚本的に組み込めなかったんかなあー、下手だなあーという感想。とにかくそれに尽きる。もったいない。

 

あ、一箇所だけ泣けたとこあったわ。お母さんが亡くなるとこ!

お母さんが亡くなったとこと髷を切るとこは素晴らしかったです。もらい泣きしそうになってたとこにあの地球儀見た途端ちょっと涙出た。最後の演説も良かったけど、あれさ、借金してまで商人たちを支援したり大阪経済の発展のために尽力してた五代が、あの場で商人の心得を説くということの裏腹さがわからないとダメだよね?弥太郎込みでその辺は理解できるけど、クライマックスのカタルシスは考えさせずに感じさせてほしいかあな。(だから脚本が下手だっていうんじゃよ)

別に良かったのはそこだけってことはないけど、全体的にまあ取り止めのない映画なのは確かよねえ。この手のものにありがちなダイジェスト感がなー。

五代友厚を知らしめたいという目的の映画だと思うけど、だからこそ目的なく散文的にやっちゃダメだと思うんだよな。オレはちょっと良くも悪くもカンバーバッチの「エジソンズ・ゲーム」思い出したんだけどさ。偉人の半生を映画という枠で映像化するときには、エピソードを繋いだだけじゃダメなんだよ。それを描く目的は必要だと思うの。というか、やっぱり映像化の手腕かなあ。日本映画は本当に下手くそだね。脚本をもっと練り込んで?

 

あとさ、セットの撮影ヒドいね。本当にジャストセット。大河よりひどいし画面がチープすぎる。特に気になったのは実家のシーンだよ。風くらい吹かせろよ…いや太陽光差すとこで撮って?なんで方がの画面ってこんななのか。

着物とか帯結びとかそれなりこだわってたのかなあ、森川葵が最初に着てた羽織はめちゃ可愛かった。羽織なのに別布で掛け衿みたいなの付いてたし。豊子(蓮佛ちゃん)の紬の着物もいい色だったしモロッカン柄みたいなの素敵だった。しかも半襟が黒!(当時は汚れ防止で半襟は色半襟が多かったはず?白半襟って武家さんとかいい家柄の人だけだったんだよね)←最近キモノビトなので気になるw

弥太郎さんのミナペルホネンのタンバリン柄みたいな着物と最後の成り上がったときのゴージャスな羽織気になったw

五代さんが亡くなった時の喪主の蓮佛ちゃんが着てた白装束が、9月だから?麻に見えたんだよな。紬っぽくうっすらベージュがはいってる。明らかに正絹じゃなかったし。あと出てくる女性の帯結びがほぼ角出しだった理、ひっかけ結びみたいなのだったり、そういうとこは良かったなあ。