そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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ハンチョウ〜神南署安積班〜シリーズ3#9

http://www.tbs.co.jp/hancho/
脚本:岡芳郎 演出:竹村謙太郎

今日のはちょっとテイストが違うかなと思ってたけど、途中からなんかスゴくなった。普通に人情物だと思ってたのにまさかこんなに詰め込んで、しかも捻ってくるとはなぁ。つかマジで今回の脚本クオリティ高すぎです。これだけのネタを詰め込んでるのにそう見せないってだけでも。演出もたぶんクレバーなのかも。
あ、でも冒頭の水野と被害者のカットバックは全然意味分からんかったw なんでそんなことをするのかもな (^_^;)
とにかく見ごたえたっぷり過ぎ、おまけにキャストも特撮ファン的にはウッハーな感じでおっつきません(笑)いや全部に突っ込むこともないんだけど、気持ちだけでも!
 
ともかく、今回はなんとなく水野メインで親友の幸せそうな家庭に憧れる、ありがちな話かなーと思ってたのに、水野の同期のお友達・響子(伊藤裕子)の家庭の話は、最終的には事件には関係なかったんだよな。その辺から「ええっ、どゆこと?」って地味にスゴイ脚本展開だったんだけどさ。
まず今回、シーズン2の水野の大学時代の元彼がゲイだったネタを山口記者がいきなり蒸し返したこと。(2−6話・騙され顔の女の話)
なんでかなーと思ってたら、響子さんの旦那さん(当然警察官)が過去に被害者と知り合いで、アリバイがあやふやってことで容疑者として疑われてて、旦那の不倫か?と思ったら、山口記者となりゆきで飲んでた水野が目撃、実は旦那さん(羽場裕一)はゲイだったという事実!つかここで水野に元彼でも見つけたのかと振る山口記者の役割としての布石の置き方が上手すぎるだろw しかも羽場裕一が実はゲイって、ありがちそうすぎて笑う!あ、あくまで役の雰囲気ねw
それを知った水野が署に戻って一人残業してた村雨さんにゲイをどう思うか聞くって‥‥うろたえる村雨さんがまたなあ(笑)
響子さんの家庭を、容疑者の可能性アリで心配してるのか、旦那がゲイだからで親友を心配してるのか、ゴッチャになってる水野に、他人の家庭に首突っ込むなという村雨さんはさすが妻帯者的な配慮。いやでもそういうわけにはって感じの水野の独身ならではの気持ちの揺れとか、親友との関係がざっくばらんな間柄だってのが描かれてるからそこで悩むのもわからんでもないという見せ方だったせいで、水野のうろたえっぷりもわかるというもの。でもマジでそういう時ってどうしようね?(苦笑)

そして被害者は元不良でその更生に織田さん@ゲイで警官の旦那 が相談にのってたという関係だけど不倫はなし。というかゲイの旦那のアリバイはゲイクラブに行ってたからあやふやだったってことで、そりゃ言えんよなあと。
で、その不良グループリーダー、なんかごっつい感じだけど見たことあるようなと思いつつテロップ出るまで気がつかなかったけど北条くん!マジで気がつかなんだ!(笑)なんて特撮クラスタな番組!w
というか桜井が取調べしてんだけど、すっかりその場が鳴神剣二@リューケンドーとヤサグレ上城睦月@仮面ライダー剣 のなんかわかんないヒーローコラボになってておかしな絵面に(笑)そういや忘れがちだが剣二は刑事だったw 睦月はきっと蜘蛛の支配下なう。w。
それにしても北条くんと山ちゃんは3つ違いのはずだけど(山ちゃんの方が年上)まったくそうは見えないというか、山ちゃん童顔すぎ、細すぎ、カワイすぎ(笑)北条くんはもうちょっと肉ついたほうがいいかも?
そして犯人はじゃあ誰よってことで、次の容疑者は被害者の勤めてた美容室のオーナーがストーカーだから‥‥って、その店長は奥田達士って!鳴滝かよ!まさにストーカーだよ!(笑)おのれディケイド、今度はハンチョウの世界まで‥‥( ̄。 ̄;;)
ところがストーカー鳴滝、いやオーナーも犯人ではなかった!オーナーは盗撮してただけで、被害者宅の盗撮アイテムを回収しただけだった!じゃあ真犯人は誰か?オーナーがストーカーしてたお陰で立証された、マンションの人の出入りの不自然さから、通報したマンションの隣人が犯人だったと‥‥えーっ!って感じ。そこかよ!冒頭だけのチョイ役だと思ったよ。どんなに二転三転なんだ、しかもキャスティングで楽しめすぎだし!(特撮的に)
 
いやしかし、話の方はそういう突っ込みどころがありつつも、水野の感情として描いてるからわかりやすいんだよな。そういうとこではずしてないというか。
被害者がたまたま水野の担当だった美容師の卵だというのがあったうえで、彼女を殺した犯人が仕事クビになったばかりの職探し中の独身のおばさん。ありがちな隣人トラブルというか、若くてカワイイ被害者にノイローゼで勝手に八つ当たりして殺したって話なのを、他人からはどんな風に見えようが本人は必死になって努力してたり、人生必ずしも上手くいってるわけじゃない、それなのに自分の不幸を他人のせいにして人を殺した犯人に否がある、みんな同じく孤独だと水野が訴えるってのがちゃんと共感できる展開だったんだよね。犯人のノイローゼも、殺人はともかくあながち共感できなくはない描き方してるし。
で、それは水野と響子さんも同じで、結婚して勝ち組に見えた彼女も旦那がゲイだとカミングアウトして(つまり結婚は本当にカモフラージュだったと)離婚することになったけど、傍目からは幸せそうに見えても家庭の事情は人それぞれ、村雨さんのいうようにそこは親友といえども口をはさむことではないんだよね。
まあただ、今回は離婚はしたけど丸く収まったし、水野と響子さんは気のおけない関係だったから二人の間もこじれることなくまとまって、まあある意味ヨカッタネって話だったし。ちゃんとゲイの旦那の心情も時間割いて描いてるところがソツがないよ。
だから事件自体はそういう話だったんだけど描写がお座なりじゃないというか、事件の展開としてちゃんと捜査もしてるし引っ掛けの織田さんの件とか須田の引っ掛かりの直感捜査とかありつつ、証拠を押さえてストーカーから証言を引き出してつめてくとか、犯人の動機とか事件捜査自体が細かいとこで納得できる、そしてどの要素もドラマの展開として外せない必然があるように扱われてるからこそ、地味な話ではあるんだけど全体としてすごく出来がよかった。
でもって、それをちゃんと水野の刑事としてのやりがいってことでまとめてるから、「ドラマとしても」筋が通ってるんだよな。素晴らしい出来。
 
小ネタもきっちり入れてるというか、桜井の心ない「40歳独身かぁ〜」のボヤキに見てるこっちがオイオイと突っ込みそうになったら、番組的にも安積に突っ込まれお小言くらうとか(安積さんはバツイチ独身だからいいんだよw)、全国の40歳独身男性に対しての配慮がソツなさすぎるw
あと山口記者と水野のやりとりの、刑事と記者の3Kどころか多すぎるKの共通点探しとか上手いよなー。
あ、相変わらず妙ちきりんな交通課長の速水っちは、安積さんに勝手に秘密を聞かせたくてうずうずしてるのに、間髪入れず「全然知りたくない」とそっち見ようともしないでスルーな安積さん‥‥(笑)
そして水野は旅館の美人女将には興味がないけど見合い相手がイケメンってのには興味があるとw
あまりにも全体の構成も見事すぎて、今シーズンではたぶん一番の出来かと。キャスティングもナイスすぎるし。今回の脚本の人はハンチョウ初参加っぽいんだけど、初めてだと気合はいるのかなあ?やー、いろいろ面白かった!