そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

刑事バレリーノ

http://www.ntv.co.jp/ballerino/
脚本:金子茂樹 演出:堤幸彦
 
設定情報と監督が堤幸彦だってことだけで相当期待してただけに、出来がどうにもアレなので正直に言いたいです。オレはこんなドラマが見たいわけじゃなかったよ?(以下ネタバレです)
中島裕翔は良かった。バレエのポージングも美しいし、真面目な顔でバレリーノなキャラをやってるだけで笑えるし。無駄に背景でバレエのポーズしてるのもサイコー。すばらしくステキにおかしいオレ好みのヘンテコキャラだったよ! (*´∀`)=3 だからこそ、だからこそそれを殆ど活かしてないこのドラマが残念でなりません。
つーか頭の方のスタッフクレジットで脚本が金子茂樹なのを見つけてちょっと…と思ったらやはり。オレの中ではもう確定。金子茂樹渡辺雄介と同じフォルダに入れる。いやまだ思ったより面白かった作品もある渡辺雄介と違って金子茂樹は面白いと思ったことなんか一度もないけど。
真面目な話、中島裕翔主演のトンデモ系コメディ(&刑事バディもの)を見るつもりだったのに、思った以上にあさって方向に後味の悪いミステリーを見せられて困惑。なんでこんなドラマになった???
別に前世の記憶で輪廻転生なトンデモな事件モノでも別にいいの。いいのよ。
40年前に誘拐された身寄りのない子供たちが医者の卵たちに人体実験されて殺されて埋められて、40年経って急に前世の記憶で復讐を始めるっていうオカルトっぽいトンデモな話自体は全然いいんだよ。それこそ堤監督テイストでメインの事件はしっかりと嫌なサスペンス・ミステリー、味付けにコメディ演出もありな感じのドラマにしてくれれば問題ないんだよ。それを捜査するのがヘンテコ新人刑事・中島とトラウマ持ちで意外と女子力?高い高島兄のデコボココンビなバディものでも。
だけどなぜそこにそこに中島くんのバレエダンサーネタをコメディテイストで突っ込んできたのかまったく理解不能。この脚本でどうして面白いと思ったんだスタッフ。その組み合わせのセンスが悪すぎる。
期待してたものとまったく違うものを見せられて、おまけにバレエまったく関係なかったよね?キャラ立て以外では。というかこの前世殺人というべき事件にそのトンデモコメディなバレリーノネタっていうキャラ立ていらないよね?
オレとしてはせっかく中島くんが頑張ってバレエをやってる努力、その演技を無駄にされたという気持ちでいっぱいです。
彼の演技はまったく間違ってないし、生真面目にバレリーノを体現するところは大変面白かったし可愛かった。鷲尾さんとのコンビも高嶋政宏の鷲尾さんもとても良かった。
だけど、だから、なんでこうなったのかと。どうして普通のトンデモ系バディもの刑事コメディにしなかったんだ?上手くやってりゃ全然良いけどまったく噛み合ってないじゃん。
あと堤監督が演出やってる割に全体に間延びしてテンポが悪かったよ。同じようなシーン繰り返してるから展開にメリハリがないというか。
なんだかんだいってもやっぱり画作りは巧いなあと思ったけど、それもわりと前半だけだった気が。壁の張り紙ネタ、定食屋のメニューはちょっと面白かったけどなんでそこだけ?徹底してないから中途半端だし。テレ朝見習えよ。
なんか真面目にツッコむのもアホらしいのですが、辻褄とかじゃなく脚本おかしくね?ってとこだけ言っとく。ミステリーにしても出来が悪すぎる。それに尽きるというか。

  • なぜ鷲尾さんは退行睡眠にかけられるまで6歳時のその記憶がないのか。なくてもいいけどだったらそれ言っとけよと思う。あと保養所を逃げ出したあとどうしたのか不明。名取裕子が逃げたあとどうしたのかも不明。施設にでも預けたの?
  • 鷲尾さんの生い立ちってどうだったのか、つーか孤児なら孤児で普通はドラマ内でそれ語っとけよと思うし。
  • そしてどうして3人揃って「今」それを思い出したのか。前世の記憶はいつ蘇ったの?そもそも輪廻転生っても死んだ時5,6歳だよね。どうやって帝都大学病院の3人を特定したのか。そもそも自分らが何されたのか理解してないと復讐もクソもないと思うんだけど。
  • 前世の記憶で殺人犯になった人たちの人生くらいは考えてあげてください。あまりにも物語のための装置すぎる。ひとりが外国人だったのは誘拐事件の記事自体目にしてないという保証なんだろうけど(くるみが過去の新聞記事をあさってるくらいだからその引っ掛けはありかなと)そこも全然突っ込んでないから消化不良だし、彼らの罪はどうなるのか。
  • 結局人体実験の結果はどうだったのか、それをどう活かしたのか活かせなかったのか。そもそもなんでそんなことやろうと思ったのか。心臓取ったら死んじゃうんだよ?(>ヤングブラックジャック
  • あと事件のことじゃないけど、白鳥の生まれ変わりだと信じてたくるみが実は牛かも…ってのは、必要?それ必要?彼なりの挫折があってそれを鷲尾に救われたってのも解決しきってないよね。そもそもこのドラマにおいてバレエ的な動きをすること自体に本当に意味がなかった。後半はそれすらどうでも良くなったし、ガッカリすぎる。
  • 鷲尾さんが過去の自分は死んだ、足も腰もボロボロだっていってたのは火事のあの時に飛んだからだよね?なんでそこ回収しないの?大体どうして白バイ警官が火災現場に行って子供助けるの?最初からそこにいたのならともかく。白バイはそういう仕事じゃないよ?

あとまあ永作博美(笑)永作博美はスペックホルダーかw あの演出まんまじゃんよ。
本当にくるみのバレリーノ設定もそうだけど鷲尾さんというわかりやすいギャップ属性の萌えキャラ作っといて活かしきれてないとか、全体に脚本が雑すぎる。演出裁量でもうちょっとなんとかならなかったの?というか上手くやれないならこんな嫌ミスな前世殺人ネタとかいらねー。普通のバディものの刑事コメディが見たかったよ。
ところで中島くんはまだ間に合うから今からでも高校生の役をやるべきだと思うの。「デート」といい真面目な社会人のヴィジュアルもいいけどあのすね毛剃ってる高校生の中島くんマジ美形。(髪型と制服のせい)耽美系BLに出てきそうな超美形。
というか今やるべきは高校生の役だよ!ヤンキーじゃない方のw
 

バレリーノ刑事が前世を探るわけじゃなかったよね?

バレエ的な動きは面白かっただけにそれをたいしていじってなかったのは残念ですよ…

あとオレは読売新聞のこの記事見て「なにこれwwww」と思って期待したんだけどな。一応載せとく。


超限定能力

http://www.fujitv.co.jp/cho_gentei_noryoku/
脚本:青塚美穂 演出:野田悠介
 
フジのヤングシナリオ大賞受賞作のドラマ化。年末やったやつ、やっと見ました。
受賞のデビュー作で竜星涼とか太賀とかが演じてくれたらラッキーだよね。永野芽郁は映画「俺物語」でヒロインだった子ね。
シナリオ大賞受賞の新人さんと演出もたぶんフジの若手の人だろうけど、思ったよりちゃんと面白かったです。
以下ネタバレなので見るつもりの人は見たあとで ( ・∀・)つドゾー。
 
ネタ自体はわりとありがち、電車の中で行き先が見えるようになってしまった、行き先の見えない人は…という特に目新しいネタでもなく、不条理展開でもいい話ネタでも世に奇妙でやってそうな話。いやたぶん何度もやってる。こないだの阿部サダオの「バツ」もそういう話よね。あっちはそれを逆手に取ったバッドエンドオチだけど、こっちは正統派で基本は青春ものというかジュブナイルかなあ。
主人公にそういう能力が備わる理由は特にないしその力を持つこと自体に必然性はない、就活中ということだけどそれに関係するわけでもないしそれ自体で話が展開するわけでもない…ってとこが、逆にちょっとひねってるってくらいかな。いやそこはそういう話だと思えばちゃんと面白かったってことね。
パターン的にやればたまたま見かけた女子高生の自殺を止めたとか友達の悩みに気がついたけど遅かったってことになるだろうけど、そうじゃないのがちょっと新しかったというか。大枠の展開はそうだけど割りと丁寧にひねってるという。世に奇妙ならまあありがちにバッドエンドだよね。だからオレ、マジで友達が死ぬかと思ってドキドキしちゃったよw
ありがちな予想をしたところで友達闇落ちの流れになるので、主人公電話でろよーお願いー (>_<)と思ったし。(そこ大事)てことで主人公がケンカしたしめんどくせーと思って電話に出なかったことと限定な超能力は関係ないよね。
というか乗客が降りる駅がわかる超能力がついたって言って信じてくれる友達なんていい友達じゃんよw。大事にしろよと。ホント彼が死ななくてよかった。
電車限定な超能力、行き先が見えない=死だけど、その辺がライトに表現されてるから深刻すぎず重くならないのはいいかも。
あとカップルの彼女のほうが、彼に誘われて降りる駅を迷う描写は面白いと思った。
話自体にはたいして絡んでないけど、主人公とその友達の関係、主人公が生き方を考えるきっかけになったっていうことで意味はあるかと。どのみち電車乗ってないと使えないしな(あの能力超欲しいw)
演出も悪くなかったけど、最後のキャスト名を出すとこはあんまり効果的じゃないかなあ、やってみたかったんだろうけど。(カイル・クーパー…とつぶやいとく)あとそれやってもスーパーではちゃんと役者名を流してほしいよ。わかりにくいので。あの友達誰だっけ…って思って探しちゃったよ、太賀くんだよ。
竜星くんはさすがに上手いし、今回はいいおうちの子だけどそれゆえ目標が見えないっていう普通の大学生をやってたけど、やっぱりこの人はヒーローっぽいかっこいい役をやってなんぼな気がするわ。肉体派なら消防士とか海猿的なやつとかもいいし、あとはお金持ちのエリートとかスマートな感じで嫌味じゃなく性格も悪くない人。心に闇があるような役もこなせると思うけど、がむしゃらキャラでカッコいい役を見たいな。(希望)

坊っちゃん

http://www.fujitv.co.jp/bocchan/http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2015/i/151224-i260.html
脚本:橋部敦子 演出:鈴木雅之 原作:夏目漱石
 
坊っちゃんってこんな話だっけと思って、さすがにオレも坊っちゃんくらいは手元にあるのでざっくり読んでみたけど文字が小さくて読めねー (∋_∈) 昔の新潮文庫め!(悪いのはオレの老眼)
冒頭のほうだけ読んだけど、かなりアレンジはしてあるけどちゃんと坊っちゃんらしいシニカルさ(毒)をナレーションの語り口で二宮が上手く出してたのは良かった。内容はうろおぼえすぎるのであれだけど、最後が爽快だった記憶はある。またそのうち読み返すよ(たぶん)
まあ二宮は年末に「赤めだか」をやったばっかなんだけど、小説の登場人物というフィクションであるこっちのほうが赤めだかよりも二宮らしくてよかったかも。個人的には赤めだかみたいな真面目なドラマより(ドラマ自体はとても面白かったけど)こういうテイストのドラマのほうがニノさんはハマると思うんだ。
それはともかく、この演出は明らかに鈴木雅之さんですね(星護の下手なフォロワーである鈴木演出は好きじゃないのだ)…とわかってしまうのもあれだけど、脚本が橋部敦子だということもあって、このちょっと突飛な演出はまあまあ良かった。相変わらず間のとり方がどんくさく間延びしてるのと、意味不明のモブ人物アップ、今回はカメラの横移動+ワンショット撮影をむやみに使いまくるので鬱陶しかったけど、大体はニノの軽妙なテンポのいいコメディ演技に救われてたんでそこまでは気にならなかったかも。ミッチーや古田新太、八嶋さんたちはもちろんだけど、やっぱり二宮。
あと最後、ものすごく関係があるうらなり&マドンナの駆け落ち?と坊っちゃんと赤シャツのやり取りを一度に見せたいってのはわかるけど、あんな細かくカットバックで演出する理由はわからないよ。
(視聴者的に)マドンナが駆け落ちしたのがわかった直後に(いやあれも映像的には説明不足だと思うけど)、シーンが変わって坊ちゃんたちが見送られて戻って赤シャツを殴る…でいいと思うんですけどね。足元をリンクするとか要らねーし、単純に見にくいです。シンプルイズベストですよ。関係はあるけどなんでまったく違うシーンをごちゃ混ぜにするのかなあ。それぞれのシーンで感情的な感じ方が違うんだよ。マドンナ&うらなりは良かったね〜で、坊っちゃん&赤シャツはザマアwww→爽快!だろ。だから鈴木雅之の演出は好きじゃないんだよ。
一応面白かったとこはあの赤シャツの絵を何度も何度も直すとこ。別にそれでギャグになってるわけじゃないけど、わかっててもおかしい。たぶん直すのがニノとミッチーだからだと思うけど。まあ赤シャツの評価ガタ落ちっていうオチにも使ってるし、あれは何となく効いてるかと。あと食事して「美味い」の繰り返し&黒板で暴露ネタにされるのも特にギャグってわけじゃなかったけどなんか面白かった。

てことでキャストは大変良かった。公式がやたら豪華キャスト押しするほどではないと思うけど、2時間半のドラマだけどちゃんと坊っちゃん世界になってたし。あと今世紀はじめてのドラマ化っていってるからwikiで確認したら、前回が1996年だから20年ぶりの映像化ってことになるのかな。それはちょっとすごいな。でも今回のドラマ版はとても良かったと思う。主演が二宮なのが大きいと思うけど。
清の宮本信子はなんというかすごく昔の人風のいい意味での単純さがすごく上手かった。清がああだから坊っちゃんの二宮のキャラ、嘘が嫌いで真っ直ぐで純粋、それ故トラブルを引き起こすけど筋はそれなり通ってる、でも単純すぎるほど単純でおまけに癇癪持ちの気性…というのが善いことだと思えるのよね。まあ劇中で本人がまんまそう言ってるけどw
そして赤シャツがミッチーってのはハマり過ぎだろwwwと思ったんだけど、うらなり先生が山本耕史だと、イヤミな赤シャツよりヤマコーのほうがいいに決まってる…とは言いがたく(笑)いやまあ帝大出で名士の赤シャツならミッチーでもいいような?でも嘘つき(というよりええかっこしい)と一緒になっても幸せになるとも思えないので、駆け落ちで良かったのだね。うむ。
原作の内容、細かいとこは殆ど覚えてないけど、話のアレンジ自体も良かったみたいなのできれいにまとまってたよ。同じ下宿の又吉が夏目漱石だってのもいいアイデアな気がするし。(言うまでもなく原作にはないオリジナルだよ)
率直すぎる新人教師の坊っちゃんはトラブルも多かったけどその率直さで何かを変えたということが丁寧に描かれてたんで、坊っちゃんが去ることが決まって生徒たちの意識が変わり、生徒にからかわれただけでファビョる赤シャツを野だいこが見捨てた、というだけですごく爽やかな気持ちになった(笑)まさに都会からきた一陣の風、いや嵐。嵐だけに(だれうま)
校長も「なるほど」しかいわないけど「なるほど」でいろいろ表す岸部一徳がすげえや。
そういや最後のお弁当のおにぎりでやっと気がついたけど、下宿の女将さんがずっと芋ばかりを出してたのは最初に坊っちゃんがおかずの芋を「美味い」といったからだね?彼女なりにサービスしてたってことだよね?(と思ったけど)ずっと不機嫌そうだったからよくわかんなかったよ。というかそれならお弁当にも芋入れるかな?どっちなんだろ。

年末ドラマ特別企画「赤めだか」

http://www.tbs.co.jp/AKAMEDAKA/
脚本:八津弘幸 演出:タカハタ秀太 原作:立川談春
 
面白かった!面白かったよ!
落語界は誰が誰やらいまいちよく知らないけど、キャストが豪華だった。
というかたけし、見た目は立川談志にそんなに似てないのに雰囲気とか談志っぷりはすごくよく似ててスゲェ。だって首かしげるのはたけしの癖であってそれを談志のモノマネっていうのはおかしいでしょw あとヘアバンドはさすがにしないのかそりゃそーかw
ついこの前談春さんが同じ年だって知ったばかりなのでこの入門当時の世間の雰囲気はわかるけど、正直オレもこの頃は落語の噺家、特に立川一門は名前くらいしか知らなかったんで、イメージでしか知らなかった立川談志師匠のことを知るドラマでもあったよ。
まあ普通に立川談志って名前はしってるけど、どうもああいうエッジな感じの天才、論理的なのに破天荒、素は小心者っぽいのにああいうキツイ毒舌を吐く、当たりもキツイってのが苦手で落語も人柄もまったくピンとはこなかったんで、亡くなった時もへーってくらいだったんだけどさ。好きな人は本当に好きだよねえ。スゴい大ファンだって人は周りにもちらほらいたんで名前は知ってたけど。
もちろん談春さんもドラマの「半沢直樹」見るまでまったく知らなかったです。
原作の全容はこんな感じらしいですね。ググったら出てきた記事は読んだ。

スペシャルゲストの人たちが豪華なのはもとより、話も手堅く面白かった。あと演出というかカメラワークとか画面にジオラマ撮影みたいなぼかし効果入れてるのとかも面白かった。映像が全体にきれいだった。
おかしかったのはダンカンのネタだよ。ダンカンが立川談かんで談志のとこからたけしのところに鞍替えしたってのもはじめて知ったんだけど、たけしがやってる談志師匠にたけしさんのとこに行きますって言ってそれにたけしが答えるって、変だよね(笑)
あと高田文夫がふんころがしのあだ名の話を談志=たけしにするとこ。ある意味楽屋落ちネタだけど再現ものドラマゆえのキャスティングの妙というか面白さというかw しかもそのネタが本編の邪魔もしてないし、スゴい考えたなあというか。もちろんご本人もチョイ役で出てるしw
二宮はまあソツなくこなしてるというか落語家、しかも談春役ってのはいまいちいいかどうか分かんなかったんだけど、志らく役の濱田岳はなんかもう何やっても上手いね、巧みだね。似てるかどうかとか問題じゃないもん。もちろん落語家としてはオレはこの中の誰一人知らないんだけど、そういう問題じゃないよね。うん。
というかオレも古典落語は子供の頃好きだったのでお話としては知ってるレベル。噺家の講談としては特に興味ないってことだけど。でもたけしと濱田岳がなんか上手いのはわかる。
というか二宮も別に落語がどうこうってドラマじゃないからいいのだ。談春さんと同じ年だからじゃないけど、あの時代にああいう青春を送った人のなんかリアルな生き様を見てる感じで面白かったというか。
ナレーションが薬師丸ひろ子なのもちょっと良かったんだけど、自伝的小説ってことでなんだかその時の「えっ?」ってことや「ああ〜…」っていう後悔が言霊的に表現されてて面白かったし。
買ってきた金魚じゃない赤めだかが最後4匹だけ残って、めだかはいつまでもめだかだよ!っていう談志師匠=たけしの言い方とか、なんか愛が溢れてた…とオレでも感じたw
でも2015年の談春さんを二宮がほぼそのまんまってのはいくらなんでも無理があると思うよ?w
とにかく良いドラマだった。

世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP〜映画監督編〜

http://www.fujitv.co.jp/kimyo/
全体にちょっと長いというか15分位でまとめて欲しかった。こういう短編で話の途中にCM入ると興ざめというか、入るタイミングも考えて欲しいなあ。その点、演出が良かったのもあって面白かったのは「バツ」と「嘘〜」か。

◆『箱』監督:佐藤嗣麻子、演:竹内結子

ネタバレ以降は面白く感じるのにそれまでが退屈なのは何が問題なんだ?倍速で見ちゃったよ。
ただ考えれば考える程怖い話だよなー。タモリは生きたまま埋められる話がどーとか言ってたけど、これって気分的には薬で体感時間を何倍にもするっていう精神的懲役刑の話みたいなやつよね。

◆『幸せを運ぶ眼鏡』監督:本広克行、演:妻夫木聡

あれ、眼鏡ってあの婚活サイトに登録したら送られて来るんだっけ。
オチとしては彼女も同じようなもの、しかもコンタクトしてたって話かなーとものすごい先取りなオチを考えてたけど現実はもっとアレというか、超タイアップものというオチだったかw この話のオチの本質はタモリの最期のコメントに尽きるよねw
まあ皆が幸せならいいんだよな。うん(^_^;) これはいいオチ。あの眼鏡便利だなー、欲しいかと言われたらそんなこともないけど。
しかし妻夫木が主演なせいでどうものび太感が… 幸せ眼鏡が出来のいいドラえもん的な役割で、のび太がしずかちゃんと結婚できて幸せになりましたーみたいに思える(苦笑)

◆『事故物件』監督:中田秀夫、演:中谷美紀

えー、ホラーかと思ったらいい話系かよ。いやホラーだとしたらあまりにもありきたりだし、演出がぬるくていいんだか悪いんだか。なんかシックスセンス的なオチがあるのかと思っちゃったー

◆『バツ』監督:山崎貴、演:阿部サダヲ

あ、部下の女の子が霞ちゃん(>ニンニンジャー)だーw
このずっとドラムが鳴り続ける演出、最近なんかで見たような…って、「バードマン」だよ!中途半端にパクリかよ。
と思ったけど「✕=死ぬ」って分かってからの「生きる」のパク…オマージュでアリアを挟んできたのはちょっと美しいなあと思っていたら。
地震か、もしかして隕石でも落ちるのかなと思ったけど、そのわりにバツが多すぎるなあと思ってたらその伏線だったかー…まさにこれこそ世に奇妙テイスト。
ドラム打ち鳴らしは確かに内面的な妄想に苛まれる主人公の心理を表すにはちょうどいいね。途中死を覚悟したところで美しい音楽になったせいで、余計にオチの演出として効いてた。パクリ演出でもそんなに悪くなかったと思う。

◆『嘘が生まれた日』監督:清水崇、演:満島真之介

「通話エリアはあなたがカバー」と「安さ抜群、電波をさがせ!」ちょっとウケたw
原作ありみたいだけど藤子F先生の少し不思議なIFものって感じ?途中の「嘘」を発見してからのノリがバカっぽくて昔の洋画コメディみたいでよかったけど、最終的にはいい話かー。そういうオチのいい話でまとめると話としては微妙かなあ。
こっちにはニンニンジャーの旋風パパがw

世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP〜傑作復活編〜

http://www.fujitv.co.jp/kimyo/

今回はとても不作。元ネタ覚えてないのにつまんなかったよ。あとタモさんの頭が薄くなってるの気になる〜
というか最後にホラー見せるのやめてよー ホラーテロだよ、ホラー嫌いな人もいるんだよ! (>_<)

◆『昨日公園』演:有村架純

有村じゃない方誰だっけ…と思い出せなかったけど福田麻由子ね!なんか見てないわけじゃないのに久しぶりに見た感じ。普通に良い話だった。あるあるそういうこと…ってねえよ。あの公園に何か奇妙な時空断層でもあるってレベルだよな。

◆『イマキヨさん』演:野村周平

やっぱりこっちもお友達見たことあるけど誰だっけ…と思ったら山田裕貴@ゴーカイブルーか。というかこれのオチってルールを破ったら「イマキヨさんになる」んならあの彼女の部屋にいたイマキヨさんはブレスレットつけてないとダメなんじゃね?なんでそこ詰めが甘いの?これもなんで人気あるのかさっぱり判らねぇ。

◆『ハイ・ヌーン』演:和田アキ子

なんでこれ和田アキ子でやろうと思った?(苦笑)というか原作っててっきり久住とか泉昌之とかあのへんだろうと思ってたら江口寿史だったっけー?まったく覚えてなかった。というか世にも奇妙で食い物ネタだと「理想のスキヤキ」が好きだけど伊藤淳史はまだ現役だからリメイクできないかw

◆『ズンドコベロンチョ』演:藤木直人

あーこれ脚本が北川悦吏子なのかw というかそもそもこのネタがどうしてそんなに面白いのかまったく判らねぇ。というか草刈正雄だと面白いけどフジッキーはちょっと違うと思うなあ。今だと江口洋介かもうちょい若めなら伊勢谷辺りで見たかったんですけど。NAVERまとめはちょっと受けたけどそういう問題じゃねえなw

◆『思い出を売る男』演:木梨憲武

この話、昔はSFだと思ってたけど今思うにこれはアルツハイマー的な何かそういうのだよな。素直に最後の子役ちゃんズルいと思ったけど、ノリさんは時々スゴい俳優力を発揮するなあ。泣けた。記憶はなくても生きていけるよ…

かなたの家族2030

http://www.nhk.or.jp/dsp/2030/
脚本:井上由美子 演出:笠浦友愛
 
なんとなく番組表を眺めてて久しぶりに瑛太がドラマやってるなあと思って録っといたやつ。
15年後はこうなってるというifのシミュレネーションドラマかと思ったら思ったよりちゃんとしたドラマでした。脚本は井上由美子ってなるほど。その上音楽がちょっと変わってるなーと思ったら井上鑑とはおごってますねNHK
というかこういうテイストのドラマってNHKじゃないとできないよなあーと思った次第。
if部分はともかく、15年後だと人の暮らしはそれなり変わってるだろうけど、それくらいじゃ精神的な部分て意外と変わらないし、むしろ今現在の雰囲気から見ても逆行するんじゃないかという気はするよ。いつだって何かの過渡期だけど、今は本当にアナログ→デジタル→アナログ回帰の過渡期な気が。
頭で考える、便利さとか効率を考えるとデジタル寄りになるのは仕方ないし当然だと思うけど、でも人間って結局当分は肉体というものからは逃れられないんで、サイボーグ化でもしないかぎり考え方も精神性も基本的に大多数の人たちは変わらないというか、肉体的な接触の楽しさってことを否定してると余計に寂しいことになるんでないかなって気はする。その辺は瑛太と相武ちゃんの話ね。そこまで割り切れる人ってまだ少数派だと思うし、あんな事言ってる相武ちゃんも実際妊娠というアナログ的庵家族づくりを体験すると考え方も変わりそうな気が。
家族とは何かって言われたら断りなく体に触れてもいい距離感が許されるかどうか(といってもその部位と触り方の問題はあるけど)という関係性だと思うんで、結局「概念」というよりは「肉体性」に依る方が健全だとは思うけどさ。でもこれからはどうなんだろね。「家族」といった時にわかってるようで実はまったくコンセンサスがないのもそういうとこだと思うんだけど。
肉体性ってことではこのドラマのラストのように、みんなで顔を突き合わせるということも(むしろそっちのほうが)重要かなあと。
妹さんの言ってること(基本他人同士の集まり)と永遠シティは同じものだと思うし、やりがいとか認め合う社会とかいってもまだそれが本当に価値あることだとは実感できないのが今の人間かなあと思うよ。実感ってまさに肉体で感じるってことだけど、頭でいいものだと思っても肉体的にはついていってないから寂しいんだと思うし。
まああのラストでふと思ったのはあの花見に妹がいなかったんだけど、あそこでテレビ電話とかスカイプみたいなもので参加してなくてよかったと思ったというか。それやったら本当に「じゃあ家族って何なの?」って思うし。
孤独かどうか寂しいかどうかってデジタル的に繋がってるってことよりは何も情報交換しなくてもその場にいるほうが寂しくないってことさと思うけど、妹ちゃんはいろいろ言ってたわりにたぶん全然わからない人なんだと思わんでもない。だから花見やってるあそこにいないんだよ。(ってことだと思ったけど)
オレの友達でもいるんだけど、仕事とかでなく進んで家族離れ離れ状態を選択してて(母+息子↔夫)、でもスカイプで毎晩話してるから大丈夫っていうけどそれ家族なのかなあ?オレにはよくわかりません。(震災以降の放射能的なアレなので余計にね)
いくら一緒にいても他人は他人なので家族の代わりにはならないと思うけどなあ。まあ家族だからこそ距離を置きたいって場合ももちろんあるだろうけど、これはそういうドラマじゃないのでそこは考えないってことで。自分とは違う人間=他人というわけではない、家族の距離感ってまたそれぞれだろうし。
ニュータウンとママタウンは時間経過が違うだけで同じものだし、永遠シティと妹さんの共同体も同じもの。シェアハウスはかろうじて出会いの場として機能してるけど、その後どこへ行くのかといえば結局ママタウン→ニュータウン→永遠シティにしかならないよね。じゃあやっぱりシェアハウスがどうかってことになるような。
やっぱり同じ立場の人間だけがまとまってる同質性ってあんまり社会としては質がよくないし、お先どん詰まりな気がするわ。多様性こそ命よねえ。そういう社会になればいいよねえ…