そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

響鬼本を求めて(追記あり)

前回までのあらすじ>発売日に地元の本屋3件を回ったのに見つけられなかった響鬼本を求めて新宿にやって来たのだが…


手近の店からと思って最近新しくなった某書店で特撮コーナーを探したが見つからず、店員さんに聞いてみた。「特撮関係のムックや写真集は何処ですか?」店員さんはPOSでしばらく検索したあと「主に何ですか?」「(主にって言われても…)ひ、響鬼です」「(ああ〜、にっこり)少々お待ち下さい」といって去っていくおねーちゃん。随分時間かかるなあと思ったらヒーローMAXを持ってきて「ここに少し写真が載っているようです」「(うひー、場所を教えてくれるだけでいいのに…)は、はい」「あとはですね、ちょっとお待ち下さい」といって別方向へ行くおねーちゃん。やっぱり何か探してるようなので、追いかけていったら写真集コーナーでやっと「魂」を見つけてくれた。ありがたくお礼を言って「肖像は〜?」と探したがそちらはナシ。というかねーちゃん、魂の隣に置いてあった竹のストーリーブックは無視ですか?(笑)そちらはストーリーの紹介本みたいだったので今回はパスして「魂」だけ買ってきた。っつーことで某有隣堂は、特撮には優しくないけど店員さんは親切です(笑)オレが特撮オタでなく一般人だったらなんて親切なんだろうと感激するとこかも。ちなみにマリみてのサイン会やっとったよ。
てことで帰ってきて、念のためと思って地元の本屋をのぞいたら二冊ともありました……マーフィーめ!
結局売れちゃっててなかったのか?

仮面ライダー響鬼 キャラクターブック鬼の肖像

仮面ライダー響鬼 キャラクターブック鬼の肖像

↑主にキャラクターブック&スタッフインタビューなど。ヒビキさんの髪が切ったばかりなのとヒゲなのは如何なもんか。(以下追記)
写真集というよりは確かにキャラクターブックだね。男性キャスト中心だけどかなり内容が濃くって楽しめる感じ。さすがヒロビ編集。でもヒロビなのにカメラマンが小林氏じゃないのは何でかな。まあいいけど。
面白いのは斬轟威対談。爆笑。あの人たちは変すぎる。細川&明日京対談もちょっと変だけど。でもここでの細川氏の話を聞いてると、最終話のラストでの明日夢とヒビキの会話が何であんなにチグハグだったかが判るよ。でもなんか、それは正直微妙だよなあ〜。いやいいたいことは判るけどさ(聞いた話、あのシーンの会話は八割り方細川氏せいらしい)
その他キャスト&スタッフインタビューはちょっと偏ってる気がするけどまああんなもんかな。知りたいことは判ったし。白倉×土田のPD対談読んでると、高寺氏のやりたいことがいろんな意味でどうして出来ないんだろう?という部分が、別の意味で解消される気がする。うがち過ぎかなあ。とにかく白倉氏は頭いいなあってことで。
部分的にファンロードチックな企画もあって、それはちょっとどうよとは思ったけど全体にはオススメレベル。小道具解説もいいね。それにしてもとっちーと中村くんがラブラブで困る(笑)やっぱり中村くんはいい奴だった。そして他の人の話に出てくる渋江像を総合すると、やっぱり彼はフタクセくらいありそうだ(笑)

仮面ライダー響鬼特写写真集 魂 (DETAILS of HERO (01))

仮面ライダー響鬼特写写真集 魂 (DETAILS of HERO (01))

↑ハードカバー。ガワ写真集&初期設定解説&高寺氏インタビュー。(以下追記)
いや〜素晴らしい!とにかく響鬼において前P高寺氏の最大の功績は《鬼の造形》に尽きると思ってるんで、この写真集はまさに見たかったもの、知りたかったことが詰っとります。鬼のスーツの企画の元とか発想の元、細部にいたるまでちゃんとした理由のある造形はまさに「用の美」とも言えるべき美しさ。惚れ惚れする〜。画面や雑誌の記事だけだとここまでUPで見ることもあまりないので、資料的価値もありますね。
残念なのはレギュラー以外の関東十一鬼の人達が十把一絡げなことですか。せめて一人1Pで前後ポーズくらいは見せて欲しかった。(映画鬼についてはあんなもんでいいけど。あんまり好きじゃないんだ)あと出来れば写真集的なページも欲しかったなあ。番組開始当初から使っているような、自然の中にいる響鬼みたいなイメージフォトね。
とにかく鬼達の「肉体が変化した」という設定が大好きだったんで、それを感じさせるこのスーツは関わったスタッフ達の素晴らしい仕事の集大成として語り継いでいって欲しいものです。マジョーラ万歳!
それにしても三鬼のうち何で威吹鬼だけマジョーラじゃなかったんだろ。ちょっと不満。あと轟鬼のスーアクさんが細いなあと思ったのは気のせいじゃなかったんだな(特に胴回りが)
高寺氏のインタビューは主にスーツ造形の裏話についてのことだけど(スーツが出来るまでのドキュメント)、最後の番組企画に関してを見ると、何で思ってることを形にすることが出来ないのかなと思うね。内容自体は特撮ニューの別冊「秘伝の書」と同じこと言ってるような気がするけど。
初期設定、本編に出てこなかったんで何処まで反映されてるのかは判んないけど、二次創作などに使うには便利ですね。一応公式設定ってことでいいのかしらん?響鬼世界のいっそうの理解のためには必読かも。

↑判型はA5、1話〜29話までのストーリー解説と設定がちょっと載ってたような。(今回は買ってないので内容についてはパス。気が向いたらあとで買うかも)


個人的にはフィギュア王の「響鬼MONO図鑑」をぜひ本にして欲しいんだけどなあ。あそこの編集部はいろいろムックを出してるんで、是非ともそのノリで出して欲しいんだが。出る予定ないのかなあ…

総括?

とにもかくにもいろいろあったけど、キレイに終わってよかったよかった。なんだかんだいっても1年間楽しみました。キャスト&スタッフの皆さまはお疲れさまです。あとは今週のスーパーライブだけですね。楽しみ〜


結構長いんで感想と違って興味ない人は見ないだろうしってことで以下表示省略。

続きを読む

仮面ライダー響鬼・最終之巻「明日なる夢」

『鬼になることだけが、俺の弟子になることじゃない』


一応大筋はそのまんまなんですが、書いて見返す暇もなく出掛けちゃったんで、いろいろ言葉が足りないとことかもう少し考えて突っ込みたかったところを補足してます。というかなんか脳内補完ばかりになったような気もするけど。響鬼の二次創作やってる気分になったよ(笑)


京介が!京介が鬼になったよ!!
思わず涙が出そうになったよ!オレは思っていたより京介が好きだったらしいな。よかったなあ、京介……(オレは京介のママンだよ…)


案の定オロチ現象は、冒頭数分だけであっさり終結。さっくり一年後とか言ってますよ。そういやオレは大して気にしてなかったけど、最初の頃ネットの感想なんかで、鬼の人たちのプロフィールが2005年時点で生年月日と実年齢が合わないのはなんで〜とか言ってなかったっけ?てことはオレ達が見てた鬼の人達の戦いの記録は2004年のことだったってこと?じゃあ最初から最終回は一年後のつもりだったってことなのかな。(まあどっちでもいいや)
それよりも結局オロチってのは何だったのか?というよりそれはもうどうでもいいんだが、やっぱり46話でオロチ現象が一般人を襲う描写があったんなら社会的に魔化魍や今回のオロチが一般社会に対してどういう影響を及ぼしたのかは、もうちょっとだけでいいから欲しかったところ。
そういう意味で考えると、この世界の描写として前半では比較的一般人との関わりが描かれていたんですが(要するに巷の猛士支援者たち)、後半になってからは描くべきことが変わったせいでその辺の描写にあまり時間を費やさなくなったのは残念ですね。
これはスタッフ変更云々でなく、番組の初期にそういう世界観説明をしておき後半はその前提のもとでドラマを作るのは、作劇的な暗黙の了解があるにしても、オロチ現象がどういうものかは説明する必要があるわけで、その辺を放棄したことについてはやっぱりダメだと思うのです。もし一般社会に関係のない非日常部分での出来事とするのなら、46話の描写はむしろないほうがいいと思うのですね。


で、オロチのときに袂を分かったヒビキさんと明日夢はそれっきりだったんだね。たちばなのバイトも結局辞めちゃってるし、あの感じじゃどうもおやっさん以外には何も言わなかったのかなー?おやっさんはなんか聞いてそうな感じだけど。
まあ一年経って、誰よ?と思うくらい積極的な明日夢、ヒビキさんたち鬼の世界の人達のことを敢えて封印して、無理やり現実世界の自分のやることだけを考えるようにしてきた…ってのも何となく判る気がするし。(大人になるとよく判るんだよ、そう言うのが)手の届かないブドウは酸っぱいブドウってことかな。
『ヒビキさんとのことは思い出かなあ…、オレはオレで頑張ってるし』って、もう明らかに虚勢というか、そういって自分を納得させてるだけっていうか、それはやっぱり本当に気持ちが解決されたワケじゃないから、あきらに聞かれても言い淀むんだよな。(というかそういうあきらはどうなんだ?)

明日夢母がいきなり本当にやりたいことを聞いてくるのは最初唐突かなと思ったけど、あんなに交流が合ったヒビキさんたちの話をしなくなって医者になりたいといって勉強に励んでる息子を見てたら、ある程度何かあったと思うのが普通かな。そう聞いたのはたまたまかもしれないけど、ひょっとしたらヒビキさんが明日夢のバイト先に顔を出したのは郁子から聞いたからかもしれないと思ったり。まあこの辺脳内補完ですが。
もともと郁子は明日夢が将来何になるかよりどう生きるかのほうが重要だと思ってたから、ちょっと心配になったのかしらね。いいお母さんだ。


で、明日夢坊ちゃん、京介ともどうもやっぱりパネルシアター乱入以来会ってなかったみたいだけど、結局京介は学校辞めて鬼の修業に邁進?ヒビキさんはあんなに学校へ行けって言ってたのにな。でも京介のあの剣幕からすると、鬼の修業を実質的に辞めちゃったことになる明日夢への憤りで学校に行きながら鬼の修業なんて悠長なことやってられないだろうしそもそも同じクラスの明日夢には会いたくないだろうしなあ。(脳内補完ばかりでスマンな)
いいけどヒビキさんと京介、隙を見せたらいつ襲ってくるかもしれない弟子とキャンプなんて、緊張感溢れてて楽しそう!(笑)ひょっとしたら猛士内でも珍しい師弟として有名かもよ。
そんな京介のところにピンチに陥った明日夢からのSOSコール。ヒビキさんをと言われてるのに自ら赴く京介。いい奴だ!普通あんな別れ方してたら来てくれないぞ。京介は成長したなあ。
医者志望と聞いて口だけじゃなく行動でもそれが実践されてることが判って京介も明日夢を認めてくれたようで、二人ともよかったなあって感じ。
「安達」と「桐矢くん」だった呼び方が、ちゃんと本気で自分のやりたいことをやっている明日夢に対してやっと京介の中で明日夢が対等になったのか、『許したわけじゃない』と言っていたのに自分から「明日夢」と名前で呼びかけるのがいいね。明日夢もすかさず「京介」だったし、響鬼世界では下の名前を呼ぶということは相手を認めるってことなのかな。この辺以外と丁寧にやってくれたお陰で唐突な感じもしなかったしね。


で、あの運動音痴だった京介が生身で魔化魍に立ち向かって行くなんて(しかもそれなり戦えてるし)感動だよ。やられちゃったけどね。
ああそして、それなりに鍛えてる明日夢とは鍛え方が違うんだよと、魔化魍に立ち向かっていき変身する京介!ここでかかったBGMが「始まりの君へ」だったということも自分的に盛り上がりポイントだったってのもありますね(結構音楽で情動が左右されるんで)この歌は明日夢の歌だと思ってたけどこの際京介の歌でもいいよ。明日夢には「少年よ」があるからさ。
京介が鬼として独り立ちしたらどんな鬼名になるのか興味あるところ。いいけど京介のママは息子が鬼になったことはどう思ってんのかな?まあダンナが消防士だから理解はあるかもしれないけどそれで命を落としてるんだしなあ。
それはさておき、威吹鬼轟鬼が加勢に来たけど巨大魔化魍登場に真打ちひびきさん登場!『待たせたな!』いきなり響鬼装甲になるとこカッコいー!
京介がいつの間にか服着ててあれっと思ったけど、そういや移動のときにでかいリュック担いでたよな。鬼はいろいろ大変だ。早く燃えない下着くらい作ってやれよ>猛士
最終回の魔化魍はなんだかよく判らん奴。え、サトリなの?
「そこでヨブコですよ!」←最近のオレと妹の流行り。最後にあんな変な魔化魍出すくらいならヨブコでいいよ。山の中だとヨブコで、街中だとカシャ。オレあの二体、大好きなんだけどなあ。


ということで、自分自身将来に対して明確な目的を持っていなかった明日夢が、一年経ってそれなりに自分のやってることに自信を持てるようになり、自分自身に向き合えたこのラストはいい終わり方だったと思います。というかヒビキさんに憧れるところから始まった明日夢の自分探しだったけど、自分とヒビキさんは違うんだということが判ったという状態がやっと対等ということなのかな。
屋久島の朝日で始まった明日夢とヒビキの関係が、夕日の海岸でもう一度始まる。沈む夕日は始まる明日への連想か。
そんな感じで明日夢の成長の物語は一年かけて自分を見つけ出し、更によく生きるというスタートラインに立つところで番組は終わったワケですね。(なんだか判らないうちに自然消滅しちゃったカップルが久しぶりに会ってよりを戻した…みたいに見える気がしなくもないけどな・苦笑)
物語としてはキレイにまとまってよかったな…とは思うんだけど、違和感あるのがヒビキさんのセリフ。
明日夢はやっと自分自身が「善く生きる」ということを自分の中で理解・納得したのに、『よろしくな、シュッ』はいいけど、『俺についてこい』とか『俺のそばで自分らしく生きてみなよ』ってどういうことですか?いやいやヒビキさん、明日夢の行く道を認めてやってくれよな。意図不明だよ。


それにしても洋館の男女のオチは、らしいといえばらしいなあ。
結局スーパー童子と姫が自我を持ったのと同じように、洋館の男女もそうだった…とは。とすると洋装の男女もそうだという可能性もあるわけで、結局はこの二人もひょっとしたら魔化魍(というかナチュラルボーンの姫と童子)と同じく自然発生的に生まれて自我を持ち、ああいう存在になったのかな。それじゃ鬼の仕事と同じように始まりも終わりもない無限ループなあのオチは納得かも。
あ、洋装の男はチャーリーとチョコレート工場〜のウォンカさんに似てるよな?ってことで洋館の男女にあげてたのはチョコなんだよ。(いろいろ台無し!)


あと自分で突っ込んだから更に突っ込んどくとこの坂本監督の3話分で、服の色が鬼の人達は主に黒、日常の側の人は白だったんだけど(これは結構徹底してるからちゃんとそういう意図なんだね)、今回明日夢が黒のコート着てるんだよね。まあこの時点で最後は鬼の側に戻るってことは示唆されてたのかも。ちなみに途中の1話目の回想もヒビキは黒、明日夢は白だった。最後のヒビキさんの革コートも1話と同じですね。
とこんなところで。


最後にヒビキさん、携帯持てよ!


以下ちょっとヒドイ想像をしてしまったんで、夢オチが嫌いな人は読まないで下さい〜。

続きを読む

それが君の響鬼?

「ネタばれ禁止な日々」
・『仮面ライダー響鬼』の最終的な総括「異色作」を越えて「失敗作」に成ることが出来た僥倖な作品だったのかも
http://sinden.blog6.fc2.com/blog-entry-186.html


一応三十一之巻までの、ということですが

 この時点の私にとって、『響鬼』のテーマである(らしい)「ヒビキと明日夢の師弟物語」など、全く取るに足らない、どうでも良いことだったのだ。
 私にとって『響鬼』のドラマとは「明日夢、モッチー、あきらの友情物語」であり、ヒーロー作品としての魅力はヒーローそのものではなく、「ヒーローが登場するまでのシーケンス」という形式にあったのだ。(いずれも総体論であり、少数の例外はある)

こういう認識で番組を見ていたとは驚き。
更に、

プロデューサーが途中で変わったことによって、『響鬼』は「何となく物足りない異色作」から、「印象に残る失敗作」に成り上がった。そう私は思う。

それは果たして《僥倖なこと》なのか?


※ ぎょうこう げうかう【▼僥▼倖】
  (1)思いがけない幸運。
  (2)幸運を待つこと。
            《大辞林国語辞典より》

ちょっと想像してみた

はすはなちゃろぐ「金の斧銀の斧」http://d.hatena.ne.jp/lotustea/20060117/1137466370
こんなのを他所んちに投稿するのはさすがに憚られるんで、一応自分とこで。

        • -

とある会議の席上─
S「ヒラメ鬼!、いや、閃き!ああー!*1
  Iさん、『金の斧銀の斧』ですよ!あれでいきましょうよ!」
I「『金の斧銀の斧』って、あの童話のかぁ〜?」
S「そうですよ、明日夢は湖に鉄の斧を落として湖の女神のヒビキに金の斧を差し出されたのに
  正直にそれは自分のじゃないって言うんですよ。
  鬼の修業はやりたくない、自分のやりたいことがあるんだ…ってね」
I「おう、そりゃあいいな。明日夢がヒビキに対してちゃんと自分のやりたいことを主張するんだな。
  金の斧は鬼になることで鉄の斧は自分の夢。で、最後は金の斧も手に入れるんだ。
  いいねぇ、子供に対しても判り易いよ、それは。
  ところでじゃあ京介はどうすんだ、最初から金の斧もらってるじゃねぇか?」
S「京介は最初から落としたのが銀の斧だから、金でも銀でもいいんですよ」
I「成程な。じゃああれだ、トドロキは『マッチ売りの少女』だな。
  マッチを擦るたびに死んだザンキがこう炎の中にぼーっと…
  でも所詮それは幻だって気がつくんだけどな」
S「いいじゃないですか、Iさん。冴えてますねー、それでいきましょうよ」
I「何かキレイにまとまり過ぎだなぁ」
S「Iさんはこういうお伽噺っぽいもの好きじゃないですか」
I「そうそう、オレは夢のあるものが好きなんだよ(笑)」

        • -


こんなやり取りがあったらそれはそれで笑うな。(あくまで想像ですから実在の人物とは関係ないですヨ)

*1:別に意味はないけど、QUEENの「フラッシュゴードンのテーマ」を女王様が直訳した歌詞

パネルシアターの意味について

さて感想では全く触れないようにしていたパネルシアター(以下PT)の話。オレがPTのエピソードが好きじゃないのは別にこういうネタが嫌いだからってわけだけじゃないのです。ここにPTを持ってくることは十分判ってるつもりなんですよ。
ホントは2〜3日置いてから書くつもりだったけどまあはすはなさんも書いてるんで(http://d.hatena.ne.jp/lotustea/20060115/1137334518)書いてみました。
実は昨日響鬼の感想を見て回ってたら、一年後とか医者とか出てきて「ええ?」と思ったんで公式を見に行って驚いた。(基本的にあまり公式は見ないんで)
来週、まだストーリー自体はどうなるか判らないんだけど、明日夢の進む道は医者のようですね。PTで出会った直美ちゃんとの出会いがそう導いたのか。まあ直美ちゃんが病気だとわかった時点でそういう方向だとは思ったんだけど、結局医者を目指すってことで落ち着いたんですね。


その前に後半について。結局19話しかない中でエピソードを組み立てようとした新スタッフは描くべきことを絞ったようですね。
ひとつはザンキさんたち弦師弟のエピソード。これは前にも書きましたが、物語と言うよりは番組を盛り上げるためにあったと思ってるんで、クライマックスにザンキの死を劇的に描くために必要だったと思ってます。
もう一つはヒビキの弟子取りの話。47話までの展開をみると、多分当初から明日夢は鬼にさせないつもりだったんだと思います。だからそのためのキャラとしての京介を出していた。常に明日夢の鏡像として。
イブキのエピソードは師匠と弟子であることの意味として、両方の話の意味合いを含むものでなければならないために後半は特に深く掘り下げられたわけです。


ここで気がつくと思うのですが、後半の展開はまず結果ありきのパズルだと言うことです。最終的に全部完成しなくてもいい(というか仕方ない)けど、ある程度はどんな絵が描かれているのか視聴者に見せなければいけない。
じゃあ、取りあえずヒビキさんと明日夢の絵は完成させないとなあ、ザンキとイブキはパーツ自体は少ないから大丈夫かな、姫と童子と洋館の男女は顔のパーツとか見つからないけどもういいや、背景のパーツは何がどこにあるのかは何となく判るけどちゃんと組み立ててる暇は無いから放っとこう…などと新スタッフの胸の内でそんなやり取りが交わされたかどうかは判りませんが、結局今のところでき上がったパズルは明日夢とヒビキさんが真ん中にはいるけど中心てわけじゃない集合写真のような絵柄だった…(最終回を見たら実は真ん中にデカデカといた…という可能性もあるけれど)しかも主人公二人から組立始めたはいいけど、途中ピースが見つからなかったため周りから埋めていったらキツキツになってやっとこさピースが全部嵌まったよーってな状態。
これは自分もよくやるんで判るんですが、キャラがいつの間にか動いてたというサプライズはない代わりに、話自体はきっちりと予定通りに収まる。代打で番組を任されたスタッフが収拾することを前提とした話作りをすることは当然でしょう。そうするとそこにはキャラの機微とか丁寧な描写(話を収めるために必要な描写はある)は望むべくもないでしょう。
当たり前です、元々そんな思い入れが新スタッフにあるわけないし、こんな尻拭いみたいなことをやりたいわけではないでしょうしね。(これについては脚本家は仕事であるからプロとしてどんな状況でもできる限り最大限の力を発揮するでしょうから、実質的にはPのことを言ってます。聞いた話では高寺プロットを大幅に変更したのは白倉Pだという話ですが、やる以上、自分が面白いと思う話にしたいのは当たり前だと思います。元々のプロットの意向を汲むにしても)


前振りが長くなりましたがPTの意味。
この終盤にあたっての今回の明日夢のエピソードの意味は「一度は鬼になろうと思った明日夢が、本当に自分がやりたいことを見つける」ということです。
明日夢のやりたいことは何なのか。漠然と人助けをしたいと思っていてもそのための最良の道は示されないまま、京介に引きずられるようにヒビキさんの弟子になったはいいけど、何か違う。明日夢にとって人を助けるということは体を張って危険に飛び込むということではないんですね。

明日夢に影響を与えたような描き方はされなかったしその後のフォローもないけど、鬼をリタイヤした努くんは、人を助ける仕事としてライフセーバーになった。京介の越えたい壁は現場で命を落とした消防士の父、ちなみにトドロキの前職は警察官。みんなそれぞれ職種は違うけど体を張って人を助ける仕事なんですね。もちろん鬼も然り。
明日夢がそれらに何となくだけど共感できないと思っているということを考えると(元々ヒビキさんに弟子入りの意志を聞かれて弟子になるつもりはないといったはずだし、ヒビキさんもそういう意味で明日夢を鬼にしたいとは考えてなかったと思う)、明日夢の行くべき道は体を張らなくても人の命を助ける職業、つまり医者ってことになります。

番組的にPTを使った意味は、
・子供の間で流行っていて視聴者の子供とお母さんが取っつきやすい
・子供を関わらせることが出来る
・持田(元演劇部)が関わっているということで、弟子を辞めたあきらも出しやすい
・京介が怒るほど、一見鬼になるための修業と比較してくだらないと思えるものでなければいけない。(PT自体は人のためになるものではない)
と言うことだと思います。

それでなければ、単に鬼の修業中に出会った病気の少女との交流で命の意味、生きるという意味を考える明日夢が医者という夢を見つけ出す…で良かったはずなのですから。
だから他のことはともかく、最後の「京介が怒る程のこと」というのは、ただでさえ本気で修業をしているように見えない明日夢に対して、何事も本気で真剣に取り組んでいろんな事を極めてきた京介にとっては、現時点では許し難いものでなければならなかったということだと思います。単に病気の少女に何かを感じて医者を目指した…だと、じゃあ頑張れよ、ってことになりかねないわけですから。
そういう意味でPTというのは鬼側の人達とはなんら関係性のない設定なんですね。これは即ち、明日夢自体のエピソードがそちら側にないということなんですが、結果として明日夢はヒビキたちとは全く違った方向性へと歩いていくわけです。
感想でもちょっと触れましたが、そういう意図があったかどうかは判らないけど、明日夢だけ服の色が違う*1とか本来いるはずのない京介ですらいた清めの場所にいなかったこととかが、明日夢の進む道とヒビキたちのいる場所の断絶があったということなんだと思います。


オレがPTの話はおいといてって言うのは、明日夢が自分の道を見つけるためだけなら先に言ったように修業中に出会った少女でもいいわけだから、番組としての意味は判ってんだけど単にネタとして好きじゃないということと、一応それでも明日夢の話がヒビキさん側に寄ってきてたのに何でそっち絡みで話を進めないんだろうというモヤモヤした気分があったからなんです。まあ後者の方は今回の話である意味納得はしたんで、もう突っ込まないでおこうという結論なんですが。
あの少女がいいか悪いかは最終回を見ないと判らないけど、ありきたりの不幸な少女にしなかったのはやはりベタ過ぎるってことなんでしょうかね。
まあ出来れば次回の最終回でPTは下らないといいながら、それによって自分が本当に進みたい道を見つけた明日夢を京介が認めてくれれば、オレ的にはいいかなって感じです。

*1:これ、ちょっと某所で某さんに呟かれて気づいたんですが、ヒビキ・イブキ・トドロキたち猛士のメンツが黒を着ていて明日夢が白を着ているのはいわゆる『黒は死、白は生。黒はケガレ、白はハレ』ということだと。いや、自分では立ち位置が違うんだなあとは気がついてもそこまで思い至らなかったです。「ハレとケ」の概念くらい知ってるはずなのにな。そう思って前回のを見返したらやっぱり明日夢は白を着てて京介は黒を着ていた。トドロキの黒が喪服だとは気がついたんだけどさ。てことで、ありがとう某さん!(笑)ちなみに清めに向かうときはそれぞれカラフルな服を着ていたんですが、イブキの白は死装束、もしくは儀式のための白かなーと思ったり。ヒビキさんもいつもの水色のダウンなので白だといえばいえなくもないしね。